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『Dear Monkey 西遊記』とは
Dear Monkey 西遊記は、講談社から発行している月刊少年シリウスで連載開始。作者は白井三二朗、漫画のジャンルはバトル。妖怪に殺された兄の遺志を継いで天竺を目ざす少女テンテン。道中、旅を共にすることになったゴクウは、妖怪の首領「孫悟空」の分身だった。
『Dear Monkey 西遊記』1巻のあらすじ・見どころ
『Dear Monkey 西遊記』2巻のあらすじ・見どころ
天竺への旅を続けるテンテンたちは、道中薬売りの少女慶春と出会い、ゴクウが彼女とその母親を助けます。人間でも分け隔てなく救う姿に卯がゴクウを警戒する理由を感じるゴジョウ。一行はその先の嘉峪関で、敵が放った刺客、催眠コウモリに狙われます。催眠コウモリの力により、ゴクウが「テンテンが本当は敵だと疑っていた」という本心を告白すると、テンテンは一行を離脱することになります。
1人になっても天竺への旅を続けるテンテンは、妖怪がバラまいた細菌兵器、伝染爆弾に感染してしまいます。そんな中出会った医師王鴻は、助手の劉たちと共に影から街の人々の健康を守る名医です。王鴻を少しずつ信頼していくテンテンですが、実は伝染爆弾の感染が広がったのは妖怪と手を組んだ助手の劉による仕業でした。治療法を知る劉は口封じに殺されますが、その後の王鴻の機転でテンテンはなんとか一命をとりとめます。
テンテンと王鴻が次に向かった敦煌は、人間と妖怪の戦場です。しかし旅の途中で別れた兄玄奘が匿われている事を知ると、玄奘に会うためテンテンはその戦場に飛び込んでいきます。戦場では孫悟空の分身や猪八戒の前に、人間たちは蹂躙されていきます。テンテンは人間たちのため奮闘しますが、分身たちの前に追い詰められます。逃亡の途中、偶然にも孫悟空のオリジナルを発見し、兄の仇を討つべく襲いかかりますが、ゴクウ達に囲まれ、絶体絶命のピンチを迎えるのでした。
『Dear Monkey 西遊記』の登場人物
1巻
玄奘
中国の各地へ巡礼していた僧。長安の飯店で働いている妹の下へ戻るが、既に長安は妖怪の総攻撃により占領下になっていた。妖怪を打ち滅ぼす力のある経典を求め天竺へ向かう事を決意するが、道中の祁連山脈で妖怪に首を刎ねられ命を落とし頭部を奪われる。
テンテン
玄奘の妹、長安の飯店で玄奘の帰りを待っていた。天竺への旅には玄奘の考えで同行する事になったが旅の途中で玄奘が亡くなってしまう。再度、天竺への旅を開始し、その道中でゴクウやハッカイという旅の仲間に恵まれる。
ゴクウ
兎の占術によると裏切りの相がでている申の妖怪。額の瞳で撮影した者の特性に加え、姿形と能力まで真似する事ができる。岩に閉じ込められ札で封印されていた。妖族十二傑の悟空の髪の毛で作られたクローン。テンテンに封印を解かれ天竺を目指すが目的も立場も違う事に気がついていない。
ハッカイ
頭目の十二匹に落選して以来、腕が錆つき部下からも見放されてしまった。張掖の飲み屋で酔いつぶれる借金生活をしているが、筋の通ったいい人という人格のために大家さんには家賃を待ってもらっている。自堕落な生活を終わらせる為、ゴクウ達と旅をする事を決意する。
ゴジョウ
潜行能力を持っているゴクウの師匠。ゴクウに淡い恋心を抱いている。妖族十二傑の卯から密命を受けている。
2巻
恵春
薬売りの少女。万能薬、百練丹を持って病の母親の元へ帰る途中、テンテン一行と出会う。妖怪に襲われた自分を守るために致命傷を負ったゴクウに百練丹を使ってしまうが、ゴジョウの潜行能力により母親は救われる。
恵春の母親
薬売りの少女、恵春の母親。胸に悪い病を患っており、恵春の持って帰る万能薬を待っていたと思われていたが、待っていたのは薬ではなく、恵春自身だった。彼女が無事帰ると安堵と喜びの表情を浮かべ、涙を流している。
催眠コウモリ
テンテンをゴクウたちと離別させるために敵が放った刺客。催眠コウモリの催眠音波を聞くと思わず本心を全て告白してしまう。これによりゴクウはテンテンが本当は敵ではないかと疑っていたことをテンテンに告白してしまった。
王鴻
テンテンが一行を離脱した後に出会った医師。貧乏で、彼の病院には患者が入っているのを見たことがないと言われているが、それは彼が毎日街を見回って病気を予防しているからであった。正義感の強い名医で、テンテンの伝染爆弾を止め、彼女を救う。
劉
王鴻の助手で、彼をサポートしているが、その実影で伝染爆弾の病原菌をバラまいた張本人。治療法を知っており、伝染爆弾に感染した患者を治療して、見返りとして大金を得ていた。
盧士元
天極四闘星の1人。火薬を操る。人間たちの大きな戦力として期待されたが、分身のゴクウには歯が立たなかった。
周建新
天極四闘星の1人。常人には引くことすらできない巨大な弩弓を操る。狙撃手だが、分身のゴクウに一番最初にやられてしまう。
楊玉英
天極四闘星の1人。麗しく妖艶な二本の剣で闘う。しかし戦場では分身のゴクウに剣を折られ、逆に斬られてしまう。
趙景飛
天極四闘星の1人。拳を使った体術で闘う。訓練したことを全て出せば妖怪に勝てると考えていたが、分身のゴクウに腕を折られ、あっけなく敗北する。
『Dear Monkey 西遊記』の世界
1巻
三蔵法師
本来の三蔵法師は人名ではなく、経蔵・律蔵・論蔵のこれら三蔵に通じる優れた僧に与えられた尊称。
破邪の経典
玄奘が諸国を行脚し峨嵋山の古刹で発見した経典。大日如来の威光で妖怪を打ち滅ぼす力があるが、蟲に食われて穴だらけになっていた。
天竺
雲上にそびえる伝説の理想郷、仏教の聖地と呼ばれている。経典の原本があるかもしれない場所。過去にも何人もの僧が旅立っていったが生きて帰った者は一人も居ない。
退魔梵本心経
妖怪を滅する破邪の経典の原本。天竺に有るため本来妖怪は入れないが、妖怪達は玄奘の姿を利用して進入し経典を焼き払おうと考えている。
酒泉
天竺を目指す旅で河西回廊の次に位置する街。旅の疲れを癒してくれるオアシスのような都市で温厚な人々が多い土地柄。旅人を手厚くもてなしてくれる場所。万里の長城が近いこともあって妖怪の手から長く守られてきたが、長城が崩されてしまい今は人間の首を縫いつなげた妖怪しか居なくなってしまった。都督の李陽安も妖怪になってしまっていたが、首から上の理性だけでテンテンを助けてくれた。
2巻
百練丹
高名な仙人が練りあげた秘薬中の秘薬。病はおろかケガや老衰さえも退けてしまう。恵春は母親に届けようとしたが、自分を守ってくれたゴクウに使ってしまう。
伝染爆弾
感染病。感染すると腹に制限時間が表示され、制限時間が0になると爆発する。空気感染するがマスクをしていると防ぐことができる。腹の時計は感染者の生体エネルギーにより動いていて、ハリで氣の流れを抑えると制限時間が止まる。
天極四闘星
対妖怪の教練場で優秀な成績を残した四人の総称。妖怪殲滅の戦力として期待されたが、あっけなく負けてしまう。
炎の剣
猪八戒が操る炎でできた剣。猪八戒がひと振りするだけで、莫高窟の砦を火の海にしてしまうほどの破壊力をもつ。
莫高窟
敦煌にある対妖族最前線の砦。崖に穿たれた石窟群は全長約1.6キロメートルに及び、仏像の数は実に2,000尊を超える。その法力は邪気を寄せつけない。猪八戒の炎の剣により火の海となる。
鳴沙山
見渡す限りの砂の山脈。シルクロードを象徴する景観がある。水門の小屋があり、テンテンはこの水門を開けることで莫高窟の火事から人間たちを救うが、その動きを察知した妖族たちに追い込まれてしまう。
フーチ
鉄に磁力を移す時のように、妖気を帯びたものをなすりつけると、妖気に反応して危険な方角を探知できるようになる。