『怪物王女』とは
作者は光永康則。講談社発行の月刊少年シリウスにて2005年から2013年まで連載されていた。全20巻。2007年、『怪物王女』としてアニメ化された。2018年から『怪物王女』の新シリーズとして『怪物王女ナイトメア』が同誌にて連載されている。
『怪物王女』1巻のあらすじ・見どころ
『怪物王女』2巻のあらすじ・見どころ
姫の屋敷に、姫を幼くしたような金髪の少女が訪ねてきます。姫の妹のシャーウッドです。シャーウッドは、王位争奪の同盟を結ぼうと提案しますが、姫に断られます。姫は同盟の提案がウソであることを見抜いていたのです。同盟の提案は時間稼ぎで、食人植物トリフィドの成長する時間を待っていたのでした。屋敷中を覆い、住人を絞め殺そうとするトリフィドに苦戦しつつも、屋敷の一部を爆破することでなんとか逃げ出します。しかし、トリフィドが繁殖していたのは屋敷内だけではなく、屋敷のある丘全体でした。姫はトリフィドの主人であるシャーウッドに抱き着くことで危機を回避します。敗北し、投身自殺しようとしたシャーウッドを助けたのは、姫の血の戦士である日郎でした。傷つきながらも自分を助けた日郎の勇敢さに感激したシャーウッドは、日郎を気に入り、姫と王位争奪の同盟を結ぶことになります。
『怪物王女』の登場人物
1巻
日和見日郎
屋敷で住み込みの仕事をする姉と暮らすため笹鳴町にきた。その屋敷を目指す途中、交通事故にあい一度亡くなったが姫の血を飲み、半不死身の血の戦士となった。姫に家来の素質があると言われている。普段は普通の学校に通う中学二年生。
姫
怪物と呼ばれる全ての異形のものの上に君臨する王の娘、『姫』と名乗る。金髪で黒を基調としたゴシックファションに身を包む。王位継承争いを兄弟間で行なっている最中であり、襲撃が絶えない。姫の血には不死の効力があるが、姫自身は不死者ではない。
フランドル
子供サイズの人造人間。姫の家来でメイド服を着ている。しゃべる言葉は『ふが』だけだが姫とは意思疎通ができている。電力を動力として動いている。
日和見紗和々
姫の屋敷の住み込み家政婦で日和見日郎の姉。フランドルと同じメイド服を着ている。戦いには加わらず、主に姫の食事を作っている。姫やフランドルの正体、日郎が半不死身者になっていることには気づいていない様子。
リザ・ワイルドマン
人間と狼男のハーフ。『偉大なる戦士ヴォルグ・ワイルドマンの娘』を名乗る。異母兄を姫らに殺されてしまい、復讐にきた。王位継承争い中の王族のうちの誰かが自分を人質に、異母兄にその元主人である姫を襲わせたと理解したのち、黒幕を殺すため、姫の家来となった。
2巻
シャーウッド
姫の妹。王国の第三皇女。姫の子供時代を思わせるような、金髪に黒のゴシックファッション。姫に敗北し投身自殺しようとしたところを日郎に助けられ、惚れる。姫と王位争奪の同盟を結ぶ。
フランシスカ
メイド服を着た人造人間。フランドルの姉妹機。フランドル同様『ふが』だけしかしゃべらない。対物理攻撃無敵。人間と狼男のハーフであるリザの攻撃を平気で受け止める。パチンコ玉を親指で弾く指弾という遠距離攻撃がある。格闘サブルーチンも組み込まれている。
嘉村令裡
吸血鬼。人狼族とは敵対関係。普段は女子高生。2年連続ミス笹鳴学園。黒髪のロングヘアの美少女。白いセーラー服の学園で、一人だけ黒いセーラー服を着ている。吸血鬼のため太陽には弱く、周囲からは病弱と思われている。姫の血を求めて日郎を下僕化するが、隠れ家を姫に発見され敗北する。少女好きで『令裡さま』と慕われている。お嬢様然として礼儀正しいが、天敵のリザには毒舌を振るう。
シエル
男の人造人間。姫の屋敷で故障を修理してもらう。3年前まで王国のデューテリウム鉱山の鉱夫だったが、逃げ出して自由を得た……という設定をされていたが、姫に害意をもつ吸血鬼ツェペリの用意した刺客だった。自分の記憶を捏造と知りツェペリを恨み、ダイナマイトで自爆する。
ツェペリ
姫に借りがあるという吸血鬼。人造人間を使って姫を襲撃する。芸術家肌のナルシスト。同じ街に住む吸血鬼として令裡を呼び出し、人造人間の襲撃を一緒に見学する。
『怪物王女』の世界
1巻
王族の血
死体に飲ませると半不死身者になる。王族の血で蘇った死者は半不死身者であるが、血の効力を完全に失うと二度と生き返ることはできない。
半不死身
死者が王族の血を飲むとなれる。効力のある間は大怪我をしても治り、死んでも生き返る。数日間の効力しかなく、効力が切れると元の死体に戻ってしまう。半不死身で居続けるためには血を飲み続けなければいけない。血を与えてもらえるよう主人につかえることになり、血の戦士となる。
血の戦士
主人の血を飲んだ半不死身者。その主人を守るために戦う。日和見日郎は姫の血を飲んだことがきっかけとなり、姫の血の戦士となった。血の戦士の主人がピンチに陥ると、身体が変化する。自分で殺したものに血を与え、血の戦士にすることは禁じられている。
王族
怪物と呼ばれる全ての異形のものの上に君臨する王の一族。現在、王位継承争いの途中。成人前は人間並の弱さである。血は不死身になる効力をもつ。その血を使って自分を守るための血の戦士をつくることができる。
2巻
トリフィド
食人植物。シャーウッドが姫を攻撃するのに使った。すさまじい成長速度で、獲物を逃がさないために窓やドアを塞ぐ、使用者であるシャーウッドの命令を聞くなど、知能のようなものもある。元ネタは、ジョン・ウィンダムのSF小説『トリフィド時代――食人植物の恐怖――』。
吸血鬼
バンパイア。人の血を吸う魔物。多くのフィクションに登場するが、作品により設定はまちまち。本作の吸血鬼は、太陽を苦手とするが、太陽光を浴びて灰になるというほどの弱点とはしない。吸血により人間を吸血鬼化し下僕にできる。夜には不死性が増す。初めて訪ねる家には、招かれなければ入れない。人狼を天敵とする。飛行能力を持つ。吸血鬼化した人間を元の人間に戻すには、噛んだ吸血鬼の血から抽出した血清が必要。棺で眠る。殺すには心臓に白木の杭を打ち込む。コウモリによる情報収集ができる。
クモみたいの
第10話密室王女に登場したクモのような見た目をした怪物。複数の足と複数の眼を持ち、動きは素早い。複数の足をまとめてドリルのようにすることもできる。人間の口から内部に侵入し、肉体を乗っ取る。内部から肉体を食い破っては、別の人間に乗り移る。種族に名称はつけられておらず、姫にも『アレ』と代名詞で呼ばれる。徹底的な破壊によってのみ殺すことができる。