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『サクラブリゲイド』とは
作画・あずま京太郎、原作・日向寺明徳のコンビが、月刊少年シリウスで連載する作品である。あずま京太郎は「セイクリッドセブン」のコミカライズでも作画を務めた。コミックスは講談社から発行されている。祖国に棄てられた少年少女が、秘密兵器「人型」で血路を切り拓いていくバトル作品である。
『サクラブリゲイド』1巻のあらすじ・見どころ
『サクラブリゲイド』2巻のあらすじ・見どころ
アメリカ軍が仕掛けた戦争に参加することを決めたブリキの旅団。マカ・ムアを襲撃したアメリカ軍の残党を討伐するために全機を用いて森林での作戦行動を行うが、初めて体験する「人を殺す」戦争はまだ若き団員たちはそれぞれに心に深い傷を抱えることとなる。そしてアメリカの「ハートノッカーワン」をも撃退したブリキの旅団だったが、歓迎してくれていたはずのイルコパの中将に裏切られ、謎の組織「アルカディア造兵廠」へと身柄を引き渡されてしまう。アルカディア造兵廠のクラシカは、アメリカとイルコパの戦争は自分たちが手を回してしかけたものであり、日本の最新兵器である人型が米軍に通用するかどうかをテストするためだったと明かします。そして巨大な力を持つアルカディア造兵廠はこれから用意する新たな敵と、人型に乗って戦い自分たちが満足させることができれば日本への帰還も含めた報酬を約束します。あまりに一方的な条件の提示に憤る旅団員達、しかし桜だけは「戦わずに死ぬか、戦って生きるかだ」とテストへの参加を迷わず表明し、旅団の仲間たちの混乱を鎮めたのでした。
『サクラブリゲイド』の登場人物
1巻
望月桜
指揮官科のエースである人型パイロット候補生。初めてチームを組んだ模擬戦で、思ったような成績を収めることができず行き詰まっていた。その原因は、司令官である指揮官はチームの絶対的存在であるという考えを持っていることにあった。友人の笹浦翔に、指揮官はチームを支える存在である、とアドバイスを受けエースチームをうまく機能させることができるようになった。イルコパ基地崩壊後のアメリカ軍との戦闘で、人型部隊の中隊長として中心的な役割を果たす。
神村雛
突撃兵科のエースである人型パイロット候補生。小柄で褐色の肌を持つ日本人とイルコパ人のハーフで、2本の触覚と貧乳が特徴の少女。望月桜に頭をなでなでされて、褒められることをモチベーションにして模擬戦に奮闘する。突撃兵科はバトルの先陣を切るため、俊敏な動きと敵に突っ込む度胸が必要になるポジションであるが、神がかった操縦で数々の戦闘をこなしている。
大場梓
狙撃兵科のエースである人型パイロット候補生。黒髪ロングヘアの美少女で、クールな態度と巨乳が特徴である。チーム結成当初は望月桜の指揮に従うことを拒否し、自分の考えで戦闘を行っていた。桜が考えを改めた後は、有能な狙撃手として勝利に貢献している。基地崩壊後は桜と共にイルコパ軍中将のもとに赴くなど、人型部隊の中で重要な役割を果たす人物である。
2巻
リリアナ・アスキス少尉
粗暴な口調とポニーテールが特徴の操縦手。戦車とは思えないようなアクロバティックな操縦で敵の意表を突く。3人の中で最も攻撃的で、常に真っ先に外敵に噛み付く立場に在る。アルバートにも最初は反抗的だったものの、胸を叩く音で勝負を挑まれた際に「負けるのが怖いのか?」と煽られると思わず対抗してやってしまうなど、乗せられやすい性格でもある。自分が逃げたら軍の仲間が犠牲になるとして人型に立ち向かうなど性格は仲間思いであり、言動とは裏腹に行動自体には優しさを覗かせる。
キャロル・スノウ少尉
太い眉を常にハの字に曲げた顔が特徴の砲手。常に怯えたような態度で小さくなっており性格は暗めだが、すぐに調子に乗った発言や毒舌を吐き、言い返されると涙目になる学習能力のなさを披露する。リリアナの無茶な操縦を苦にもしない精密な射撃を行う。
ドロシー・ハミルトン少尉
金髪ロングで高飛車かつ、常に十字架を携行している信心深い装填手。小さい頃は人と関わらず聖書に没頭することで自己を保っていたが、アルバートの影響で人との接点を持てるようになる。もともとは殆ど喋らない口下手だったものの、成長した後では気取った喋り方でリリアナとよくやり合う程になった。軍属の戦車乗りではあるものの、私生活では編み物を嗜むなど落ち着いた趣味を持つ。
アルバート・ケンウェイ大尉
3人の娘を引き取り戦車乗りへと育てた男。頭頂部が禿げ上がっており、3人の娘には「ハゲ・加齢臭がキツい・だらしない腹部」などと散々な評価を受けている。娘たちへの接し方に苦心しており、頭ごなしに怒ったりしない思慮深さを持つ。リリアナが「もう処女じゃない」とウソをいった時には怒りを顕にしており、養父ではあるもののそれを感じさせない深い愛情を持つことが伺える。作戦行動中に誰よりも早く”電電”の存在に気づき迅速に判断を下すなど、指揮官としても優秀。娘たちを守るために人型に立ち向かい殉職。最後は娘たちへの愛の言葉を残して逝った。
クラシカ
アルカディア造兵廠を名乗る謎の組織の一員。スーツ姿から覗く電球のような頭部はディスプレイのように様々な画像が投影されており、会話の内容に即した画像が表示される。横柄で面白がるような素振りで喋り、望月桜へ強い興味を示す。
『サクラブリゲイド』の世界
1巻
人型
日本国防軍が開発した最新兵器である。アメリカの海兵隊と渡り合える戦闘力を持ち、レーダーをかいくぐるステルス性能をも有する。イルコパ王国の秘密基地で試験部隊が編成されている。女性の方が人型の操縦適性が高いとされている。パイロット候補生である少年少女は、全員元々体の一部が不自由だったものが選ばれている。
デルタ
突撃兵科・狙撃手科・指揮官科の3つからなる、人型運用において基本となるチーム編成。人型の操縦適性の高い女性が突撃兵科と狙撃手科、男性が指揮官科を務めるため「三角関係」とも呼ばれる。パイロット選抜のための模擬戦では、チームワークが最も重視されている。チームとしての成績を残せない者は、人型の搭乗資格をはく奪される。
イルコパ基地
日本国防軍が人型部隊を運用するため、イルコパ王国の地下に建設した秘密基地。カモフラージュとして建設された地上の建物は、民間企業に偽装されている。イルコパがテロ支援国家に指定された際、日本国防軍によって破壊された。
セカンドナーヴ・システム
断裂した神経をつなぐ最新の技術。このシステムを背中に埋め込んだ者のみが、人型を操縦することができる。人型のパイロット候補生は、全員が元々体の一部が不自由だった者である。彼らはセカンドナーヴ・システムによって損傷した神経をつなぎ、体の自由を取り戻した。この手術を受けるためには、軍人になることが条件だった。
2巻
電気電子情報探索機
通称”電電”。人型の方に搭載されたコンテナからハチドリ型の小型機を射出し、周囲の情報を集めるレーダーとして働く。有賀椿の登場機を改造しているため、椿はバックアップの役割に回ることとなった。
HK1(ハートノッカーワン)
アメリカ軍3人娘の首の後に取り付けられた特殊な装置。操縦桿などを使わずに戦車を操縦できる特殊な実験的デバイスで、リリアナら3人を実験台として研究所で試験運用されていた。この実験自体が公にできないものであり、アルバートが3人を引き取る際には国防長官より「3人を戦車に乗せて戦わせるか、存在ごと抹消するか」の二択を迫られる。この戦車はアルバートが子供たちを勇気づける時に行った胸を叩くおまじないにちなんで「ハートノッカー」と名付けられた。
アルカディア造兵廠
桜たちを拉致した組織。日本の最高機密である人型用の最新式銃を大量に用意できるなど、巨大な影響力と力を有していることが伺える。アメリカ、日本、イルコパに対して秘密裏に干渉を行い、イルコパと米軍の戦争を起こさせ、人型vs米軍という構図での”テスト”をマッチメイクした。組織の影響力や規模は大きいと思われるものの、各国の最新兵器同士を戦い合わせたいという意図以外は謎に包まれており、未だ組織の本当の目的は判明していない。