『アヴァルト』とは
アヴァルトは、講談社から発行している月刊少年シリウスで連載開始。作者は光永康則、漫画のジャンルはSFファンタジー。絶対的な存在アヴァルトに母を殺された少年タビが、誰も逆らえないと思っていた神に反旗を翻す。
『アヴァルト』1巻のあらすじ・見どころ
『アヴァルト』2巻のあらすじ・見どころ
アヴァルトと戦う力を手に入れるために封印の地下迷宮に向かうタギ、ネッド、シノアの三人は、アヴァルトの二人に発見されてしまい戦闘になります。シノアはタギを逃がそうと抗戦するも敗北……あわやというところでネッドがアヴァルトにダメージを与え、命からがら逃走に成功します。そもそもタギたち三人がアヴァルトに発見された原因は、ネッドが宇宙船から発射した解析キットが原因でした。アヴァルトの二人は正体不明の落下物の調査に来てタギたち三人を発見したのです。自分の軽率さを悔やむネッドですが、解析キットによって、現状がいろいろとわかってきます。ネッドがコールドスリープする前――一万年前の世界のMMORPGの世界がナノマシンによって現実の空間に作り出されていたことが判明します。アヴァルトもまた、ナノマシンの集積なのです。そうして危険な旅を踏破した三人は、ついに封印の地下迷宮にたどり着きます。
『アヴァルト』の登場人物
1巻
タギ
アヴァルトに復讐を誓う少年。母親と一緒に薬を求め砂漠を超え、街に辿り着くが、理不尽な理由で母親をマーシュに殺される。母親の敵討ちをするためにシノアに着いていく。
ロイド・コスギ
太陽系外探査船の乗組員の一人。何者かによってコールドスリープから蘇生シークエンスを実行され、目覚めると10000年の時が過ぎていた。管制基地や地上の施設へ向けて交信を試みるが返答は皆無、コールドスリープしていた間に人類文明は消え去ったことを知る。探査船の中で稼動し続けていたMMORPGの画面が現実の地表の風景と完全に合致したことを確認し、ゲームの世界に世界の変貌の手がかりを求めてMMORPGの世界に飛び込むことを決意する。
セガワ
唯一ロイドの他に探査船の中で姿が発見できた乗組員の一人、操縦室でMMORPGのゲーム画面を点けたままミイラ化して死んでいた。
ネッド
ロイド・コスギがゲーム内で使用しているカエルの姿をしたアバター、ハンドルネームN3Dの別名。アヴァルトにも対抗できる力を持ったアバター。
シノア
元アヴァルト。マーシュに処罰されアヴァルトから追放、力を失い人間と同じサイズになった。ネッドやタギと行動を共にする。
マーシュ
髪の色が同じというだけでタギの母親を殺したアヴァルト。中央の要請でモンスターの排除をしに街にやってきた。
2巻
ガヤルド
冷たい表情のアヴァルト。ロイド・コスギが宇宙船から発射した解析キットから、宇宙船の場所を計算し、巨大な投石器により攻撃した。
ヨルゴス
チェーンのネックレスとファーをつけたアヴァルト。好戦的。ロイド・コスギが宇宙船から発射した解析キットの調査に来て、タギたちを発見して戦闘になる。シノアを倒す強さを見せるが、ネッドに首を切り落とされる。首を切られても死なず、恐怖も痛みも感じさせない無表情で、ネッドへの報復を誓った。
リュミス
パーマのロングヘアでいつも目をつぶっているアヴァルト。ヨルゴスと一緒にロイド・コスギが宇宙船から発射した解析キットの調査に来た。タギたちとの戦闘には参加せず傍観者に徹した。
武川祀
武川有益唯一の嫡子。武川家の姫さま。ポニーテールの凛とした美女。戦国時代を終わらせるため、昂村常勝を裏切らせるための人質となる約束を取り付けたが、アヴァルトの操るスパゲッティが戦場の人間を皆殺しにすることでご破算にされた。父や民の仇討ちのため、神と戦うコウサについていくことに決める。
コウサ
タレ目の男のアバター。スパゲッティに殺される寸前の祀を助ける。最初は日本刀で戦っていたが、その太刀筋はでたらめ。ジョブはハンター。祀を助けた目的は、武田家の宝刀神狩を手に入れるため。
『アヴァルト』の世界
1巻
スパゲッティ
無数の目玉を持ち、ロングパスタのような触手で全身を覆っている怪物。人間を襲うために砂漠や街に出現する。
アヴァルト
銀色の髪をした全知全能を司る無敵の存在。髪の色が同じというだけで不快感を感じ人間を殺す。複数人存在することが確認されている。
現実の地上と繋がっているMMORPG
元々はロイド・コスギやセガワが探査船内で遊んでいたオンラインゲーム。正統派の西洋ファンタジーで、出現するモンスターはオークやゴブリンだったが、10000年後にログインしたゲーム内にはスパゲッティやアヴァルトという以前は存在しなかったキャラクターが存在する。街にある建物は石造りに見えるが、よく見ると継ぎ目が無く凹凸のある表面テクスチャが施され、服も縫い目がないことから人工物は全て3DCGでアヴァルトが人間に与えたものではないかとロイド・コスギは仮定している。
砂喰い
頭部にある大きな口で砂ごと何でも食べてしまう怪物、群れで行動する。像のような安定感のある体格と2本の触手のようなものを持っている。
2巻
NPC
コンピューターゲーム内の、人間が操作していないキャラクターのこと。ノン・プレイヤー・キャラクターの略。この世界における神であるアヴァルトは、元はNPCだった。
封印の地下迷宮
古代の生物(モンスター)がいたという噂のある場所。誰も足を踏み入れない僻地。人類が神を斃すにはレベルを上げる必要があり、レベルを上げるにはモンスターを倒す必要があるので、タギたち3人はモンスターのいるかもしれない封印の地下迷宮に向かうことになる。
カヤクル
乗用の動物。四肢が長く、毛深い。頭の両側に短い角がある。タギ、ネッド、シノアが封印の地下迷宮に向かうのに使われた。
投石器
攻城用の投擲兵器。東ローマ帝国が開発したとされる。原始的な兵器だが、神たるアヴァルトのそれは人類のものとは比較にならないほど巨大かつ精密で、静止軌道上にあるロイド・コスギの宇宙船を破壊した。
ナノマシン
微細機械。目に見えないサイズの小さな機械のこと。ロイド・コスギの解析キットにより、地上世界は、一万年前のMMORPGの世界がナノマシンにより現実の空間に作り出されたものであることがわかる。カエル型のアバターも、アヴァルトの肉体もナノマシンの集積したもの。ネッドとシノアが食事を必要としないのは、ゲームシステムに飢餓が設定されておらず、勝手にナノマシンが介入して肉体を維持してくれるから。