『ワイルダネス』とは
小学館から発売されている漫画雑誌『サンデーGXコミックス』にて2000年9月号から連載されているバトルアクションマンガである。作者は伊藤明弘氏でサンデーGXコミックスから単行本が発売されており、タイトルである『ワイルダネス』は英語で「荒野」の意味を持つ。
『ワイルダネス』1巻のあらすじ・見どころ
日本の大学生である芹間喬は知人の女性を助けるために、ロサンゼルスの犯罪組織として銀行強盗を行うことになります。というのも芹間の知人女性はこの犯罪組織に多額の借金を抱えており、返済に苦しんでいたのですが、芹間が持つある技術を組織に提供することで借金をチャラにするという申し出が組織側からあったためです。芹間が持つ技術とは「スーパーハッキング能力」。この時ちょうど組織は銀行強盗を画策しており、最後の電子錠を解除するために芹間の技術が必要だったのです。犯罪組織の一員として銀行に乗り込む芹間は、数々の銃撃戦を乗り越え、なんとか電子錠のハッキングも成功します。溢れんばかりのジュラルミンケースを抱え、ヘリにて銀行を後にしようとする一行ですが、なんとその時内部で裏切りが発生し、ヘリが墜落してしまうのです。奇跡的に助かったのは芹間だけ、こうして、平凡な大学生だった芹間の日常が大きく変わっていきます。
『ワイルダネス』の登場人物
芹間 喬
本作の主人公でスーパーハッキング能力以外は至って普通の大学生。困っている女性に対して助けたいという気持ちが強く、そのせいで自身の人生を大きく変えてしまう。知人女性を助けるためにロサンゼルスの犯罪組織として銀行強盗に手を染めるも、組織内対立のせいで銀行強盗犯唯一の生き残りとなってしまう。犯罪組織にスカウトを受けるほどそのハッキング能力は高く銀行強盗に加担した際も、強盗団のメンバーから本気でウチに来ないか?との引き抜きの話をされるほど。メガバンクのハイセキュリティーな大型金庫も5分でハッキングする能力の持ち主である。
玉珧 恵那
セミロングヘアが特徴的な19歳の日本人女性。高校の卒業旅行でアメリカを訪れた際に、アメリカの自由あふれる風土と、もともと日本の環境を好んでいなかったことからメキシコに留まるようになる。着の身着のままで定住を決め、家族にも連絡をしなかったため、行方不明人物として捜索願が出されている。また、旅行中にたまたまマフィアの仕事現場をハンディカムで撮影してしまい、命を狙われることとなる。
エノラ・コープランド
DEA捜査官でブロンドのショートヘアーが特徴的なアメリカ人女性。芹間等が襲撃した銀行にたまたま居合わせ、その時芹間と初めて会うこととなる。肝が座っており銀行強盗団に対しても物怖じすることなく意見を述べる。後に、芹間の足取りを追うこととなる人物である。
『ワイルダネス』の世界
WN銀行
ロサンゼルスに位置する芹間が初めて銀行強盗団に加担して犯罪に手を染めた銀行。現場にはエノラも居合わせており、芹間とエノラが初めて出会った場所でもある。
ゴールドスミス一家
古くからロサンゼルス一帯を統治し、影の支配者として権力を持っている家系。製薬会社やマフィアを有しており、武力、技術力、資金力共に保有している。製薬部門においては、個人を顧みない非道な人体実験を繰り返し行っており、その実態は非常にブラックである。
ケンケン
芹間が銀行強盗団を行った際の組織内で呼ばれるコードネーム。組織から与えられた本来のコードネームは、芹間の前任者と同じ「マットレイ」であったが、マットレイと名の付く犬を芹間はケンケンとよんでいることから、ケンケンのコードネームを押し通している。組織内でマットレイと呼ばれた際には『マットレイじゃない、ケンケンだ』と必ず訂正する。
DEA
Drug Enforcement Administrationの略称で麻薬取締局を指し、エノラが所属している組織である。