漫画『セレスティアルクローズ』の感想・無料試し読み

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『セレスティアルクローズ』とは

『セレスティアルクローズ』は塩野干支郎次による、現代日本を舞台にしたファンタジーアクション漫画である。2010年から2016年にかけて、講談社が発刊する月刊少年シリウスで連載していた。同じ作者による『テレストリアルクローズ』は、本作の登場人物によるサイドストーリーを描いており、相互に読むことで登場人物の理解を深めることが可能になっている。

『セレスティアルクローズ』のあらすじ・魅力

母を病気で失った神渡優は、親戚を頼りに向かった汪宿市でひとりの少女と出会います。彼女の名前はラーズグリーズ、アース神族の主神オージンに仕える戦乙女のひとりです。優はラーズグリーズの鎧となって汪宿市にはびこる騎士や怪異に立ち向かうことになりました。やがて、騎士や怪異の背後には、あらゆる世界を統べようとする女王がいることが明らかになります。ほかの戦乙女達や市内の守護を司る汪宿四社と協力しながら、優はラーズグリーズとともに女王の企てに立ち向かっていくことになるのです。

本作の最大の魅力は、なんといっても北欧神話と日本神道をベースにした物語にあると言えるでしょう。戦場で名を馳せた英雄をヴァルホルへ導く戦乙女は、実は戦国時代の日本にも現れていました。その末裔達が汪宿四社として神道を結成し、現代に舞い降りた戦乙女達と複雑に絡み合っていく展開は、ファンタジー作品としての深い味わいをもたらします。

『セレスティアルクローズ』の印象的なエピソード

1巻2話:戦乙女と少年のボーイミーツガール

謎めいた儀式を行って行方不明になった兄と、そのときに見たオーロラの様子を思い出しながら、神渡優は6年間暮らした東京の家を離れます。優の母親は病気で亡くなり、彼は故郷の汪宿市に住む親戚を頼ることになったのでした。汪宿市についた優は、ラーズグリーズというひとりの少女と出会うことに。探しものをしているという少女のことが気になりながらも、親戚の縞子に出迎えられた優は、汪宿市で新しい生活をスタートさせます。時を同じくして、汪宿市では超常的な存在によって猟友会の人間が大ケガをするという事件が発生していました。

汪宿学園の中等部に転校した優は、弓道部の部長である神戸智樹と部員達から、部の合宿にきて欲しいと誘われます。智樹の父親は汪宿市の警察署長であり、警察が市内に現れた「神様」と呼ばれる化物に対抗しようとしているので、自分達も合宿と称して化物退治に参加するというのです。優は流されるまま、その合宿に参加することになりました。

合宿として山に入っていくと、優は右目の義眼に違和感を覚えました。そのとき、山の奥で優達は自分のことを騎士と呼ぶ化物に遭遇します。義眼を外した優が放った矢は凄まじい加速で騎士を射るものの、致命傷を与えることはできません。万事休すかと思われたそのとき、優の目の前には騎士を蹴り飛ばす少女の姿が。それは優が先日遭遇したラーズグリーズでした。彼女は極光と呼ばれる輝きを探し求めており、優の義眼が封じていた極光の気配を辿って彼のもとへやってきたのです。極光の輝きを持つ優はラーズグリーズの鎧として変容し、彼女を戦乙女と呼ばれる凜々しい姿に転じさせます。彼女の背後には、かつて兄が行方不明になる直前に優が見たオーロラが出現しているのでした。

戦乙女の姿になったラーズグリーズはその超人的な力でもって騎士を圧倒するものの、装備が貧弱なせいで決定打を与えることができません。状況が飲み込めない優は翻弄されるばかり。実は戦乙女の装備は、鎧である人間の心の力に影響するのでした。母の指導を受けてこれまで打ち込んできた弓道の鍛錬を優が思い出すと、ラーズグリーズの手には強靱な弓矢が現れます。弓矢は騎士の体を貫くと、大爆発を起こしました。山中で騎士の正体がつかめぬまま、ラーズグリーズと優は勝利をおさめるのです。

本作のプロローグとも言えるこの話では、主人公である優とヒロインのラーズグリーズの出会いが描かれます。どこか人間とは異なる雰囲気をまとったラーズグリーズの様子や、人間に危害を加える化物の存在は、ファンタジーとしての本作の始まりを予感させることでしょう。そこに優がどのように絡んでくるのかと思いきや、なんと彼はラーズグリーズの鎧そのものへと変化することになります。実は、戦乙女である彼女は鎧がないと十分な力を発揮することができないのです。人間を鎧として身にまとうという奇抜な設定は、その後に登場する他の戦乙女達や、優とラーズグリーズの関係における重要なファクターとして機能することになります。

また、この話では汪宿市がただの街ではないことを匂わせているのも見逃せないポイントです。汪宿市の警察や猟友会、そして市内に点在する神社は、化物の存在に動じることなく、その対抗策を検討しています。さらには汪宿市の天文台の研究者は、戦乙女の出現による強い力を、あらかじめ想定していたものとして観測する様子を見せるのです。研究者の口からは、汪宿四社という市内の神社の存在も示唆されます。こうした描写から、汪宿市に化物や戦乙女が出現したことは偶然ではないのだと読み取ることができるでしょう。その理由は、物語の進展とともに明らかになっていきます。

3巻12話:兄との再会

優がラーズグリーズと同居することになって数日、汪宿市の清汪流山にあるストーンサークルに謎の集団がいました。インターネット上のオカルトサークルのオフ会であるその集団は、カルト的な儀式を行うために清汪流山へ入ってきたのです。オフ会に参加した沢木田伏彦は長らく引きこもり生活を続けており、この世から解脱するためにオフ会に参加しています。伏彦の背後には彼を追跡するふたりの戦乙女、フレックとスクルドがいました。彼女達は伏彦が破滅の因子であると疑っています。破滅の因子とは、いつかこの世に訪れるアース神族の最後の戦いであるラグナロク、その運命を狂わせる鍵のことといわれているのです。

伏彦はオフ会の参加者である星埜宮あやかとともに儀式を行いました。しかし、解脱の代わりに伏彦の目の前に現れたのは、あやかが騎士となってオフ会の参加者を食らう地獄絵図だったのです。その儀式は、あらゆる世界を統べようとする女王の配下、アメリーが仕組んだものでした。騎士となったあやかの存在を感知し、ラーズグリーズと優はこれを迎え撃つことに。劣勢になったあやかの様子を見て、オフ会のあいだに彼女の優しさに心を打たれた伏彦は、彼女を守るために自らも騎士となります。二人がかりの反撃に一時撤退した優達は、降り立ったストーンサークルの上である男の影を目撃しました。それは、6年前に優の前から姿を消した慎一郎だったのです。オージンの眷属に協力する以上、優は自分の敵だと言い放つ慎一郎。優は心の整理がつかないまま、再び鎧となって騎士に立ち向かいます。

劣勢に追い込まれるラーズグリーズのもとに、もうひとりの戦乙女が姿を現します。彼女の名前はアルヴィト、同じく汪宿市に派遣された戦乙女であり、四ノ宮正隆という青年を鎧にまとう少女です。あやかと伏彦は合体してひとつの騎士になったものの、アルヴィトとラーズグリーズの連携攻撃の前にあえなく倒されました。騎士が敗北する様子を見かねたアメリーは、あやかと伏彦を飲み込んで怪物化します。余力も使い切ったラーズグリーズ達の代わりに出てきたのは、なんと戦乙女達の父でありアース神族の長でもあるオージンでした。彼が光の槍を投げると、アメリーは一閃のもと消滅していきます。アメリーが消えてゆく様子を見て、慎一郎はオージンと優が決して相容れることはないと呟き、その場を去っていきました。これで破滅の因子は消滅したかと思いきや、オージンは伏彦が破滅の因子ではないと結論づけます。一体、破滅の因子とは誰のことなのでしょうか。

このエピソードでは新たな戦乙女、アルヴィトが登場します。しかし、コミックスを順に読んできた人は彼女に見覚えがあるのではないでしょうか。実は彼女は第1巻に収録されている、本作のサイドストーリーを描いた『テレストリアルクローズ』の第1話にも登場しているのです。このように、ほかの戦乙女の物語が別枠で語られる形式をとっているのが本作の特徴であり、作品間の相互関係を楽しむことが可能になっています。また、アルヴィトの様子を見守るゲイルスケグルとグン、そして伏彦を追跡してきたフレックとスクルドも登場。計6名の戦乙女の登場に、今後ますます戦いが激しくなるのだろうという想像が広がります。

一方、行方不明と思われていた慎一郎の登場は本エピソードの目玉と言えます。どうやら優と敵対することになりそうな慎一郎ですが、騎士となったアメリーの攻撃から優やラーズグリーズを守ってみせるなど、何やら真意を隠している様子です。また、彼の台詞から、女王の名前がニアヴであることも判明しました。失踪する直前、慎一郎は優を連れて何をしようとしていたのか、そして女王の配下となった慎一郎が今後どのような行動をとるのか。いずれも本作の伏線として読み進めることになります。

5巻21話:1000年に渡る狼達の再会と悲劇

ある日、汪宿市の教会に新しいエクソシストの少女が赴任してきました。彼女の名前は銀連寺マリアといいます。彼女は汪宿市の土地に封じられていた狼の悪霊を退治するために派遣されてきたのでした。狼が目撃されたという清汪流地区に踏み込んだマリア達は、そこで巨大な狼の悪霊に遭遇します。祓魔演武と呼ばれるエクソシストの武術で狼を祓おうとするマリア。しかし、強大な狼の力の前に、マリアは次第に劣勢に追い込まれていきます。彼女を助けたのは、猟友会の依頼で狼を追ってきた優でした。ラーズグリーズとともに狼を撃退した優を見て、マリアは彼に抱きつきます。どうやらマリアは優のことを知っているようでした。しかし、喜びもつかの間、清汪流地区にはもう1体の狼の姿があったのです。

一方、アルヴィトは正隆と一緒に、汪宿市に封じられた狼の話を調べていました。かつて汪宿市には6匹の飢えた狼が人々を苦しめていたというのです。そのとき、神父を襲った狼の気配を察知したアルヴィトは、正隆をまとって変身すると、ラーズグリーズとともにこれに立ち向かいます。しかし、ムカデのような体を持った狼の皮膚は硬く、貫くことができません。狼を攻撃するための有効な手段を持たないラーズグリーズとアルヴィトの前に、まるで天使のような姿をした少女が現れます。彼女の名前は能天使ハマリエル、それはなんとマリアが変身した姿だったのでした。マリアが炎の剣を振り下ろすと、狼は一撃で焼き払われていきます。そんなマリアの姿を、優はかつて見たことがあったのを思い出しました。マリアは、優が東京の小学校に通っていたときの同級生だったのです。

その頃、汪宿市にはさらに3つの影が山から立ち上るのが見えました。その様子を見て「これで5つ」と呟く青年の姿があります。青年はニアヴの配下であるフリッツが企てた、汪宿市に狼をけしかける計画を遂行する役目を担っているのでした。3つの影はやがて狼の形をとり、汪宿市を襲おうとします。しかし、汪宿四社が張った結界を破ることはできず、追いついたラーズグリーズ達に沈められました。

青年は最後の1匹となった狼を使って、汪宿市を壊滅に追い込もうとします。最後の1匹は、白い毛をまとった巨大な狼でした。その強大さはおよそ人間界に封印するにはあまりに規格外だったのです。流石に3人がかりでも歯が立たないラーズグリーズ達の前に、ロタというもうひとりの戦乙女が現れました。彼女は狼を倒すことを専門とした戦乙女です。彼女の協力もあって、やがてラーズグリーズ達は狼を追い込みます。そして、ロタの撃った弾が青年にあたると、狼は激高し暴走しながら、かつて自分を縛った封印に飲み込まれていくのです。実は、青年は狼のこどもでした。青年はかつて封印された母親を解放するためにニアヴと取引をし、1000年ものあいだ、母親との再会を待ち焦がれていたのです。母親とともに消滅していく青年の姿を見て、優はただ流れる涙を止めることができませんでした。

本作で狼が戦乙女と対峙することになったのは決して偶然ではないでしょう。北欧神話ではフェンリルと呼ばれる巨大な狼が神々の敵として出現します。人間とは相容れない害獣として描かれることの多い狼ですが、一方で人間のこどもを育てたという逸話も残されているのです。狼の邪悪さやこどもへの愛情を映し出し、それを戦乙女との戦いや神道の封印に絡めて描く本エピソードは、設定好きの読者にはたまらないものがあるのではないでしょうか。こうした設定を一本にまとめて落とし込む作者の技量の高さがうかがえます。

また、本エピソードでは新たな戦乙女であるロタが登場しました。狼退治を専門とする彼女の詳細は、のちの『テレストリアルクローズ』で明らかになっていきます。さらには教会のエクソシストという新たな勢力も登場。可愛らしい外見とは裏腹に高い戦闘技術を誇り、さらには天使の姿へ変身して活躍するマリアの存在は、ファンタジー作品である本作を一気に華やかなものへと変えます。なお、マリアが汪宿市に派遣されてきたのは、実は優に何か恐ろしい未来が起こるというお告げを聞いたからだということも明かされました。かつて小学校で自分を助けてくれた優のことを、マリアは今も変わらず想っていたことが判明します。そうなると、当然ながら優を鎧にまとい、さらには彼と同居しているラーズグリーズに嫉妬しないはずがありません。こうしたラブコメが面白く展開していく要素としても、マリアは重要なポジションにいるのです。

11巻(最終巻)57話:兄の真意と優の帰還

右目の義眼の奥に宿った光が破滅の因子であり、ラグナロクの力そのものであると悟った優は、人間界の空に自らを封印する宮殿を作りました。ラーズグリーズの説得もむなしく、彼はそのまま自分自身を封印してしまいます。一方、優の力を制御しようとする掌握派として事態を静観していた米軍は、戦乙女以上の力を持ったセレスティアル・ギアを用いて状況を制圧しようとしました。米軍の策略を阻止するべく優の防衛に回るのは、戦乙女であるゲイレルルにゲイルスケグル、そしてゲイラヘズの3人です。

5機で応戦するセレスティアル・ギアに対して、1機ずつ確実に破壊しようとする戦乙女達。しかし、セレスティアル・ギアが放った干渉波動発生装置によってゲイラヘズの変身が解除されると、戦乙女達は一気に劣勢に追い込まれてしまいます。窮地を救ったのは、なんと優の従姉である縞子でした。縞子はオージンの力を受けて、優のクラスメイトである神林このはを鎧にまとうと、人間の身でありながら戦乙女として戦場に降り立ったのです。縞子の放った弓は過たず5機のセレスティアル・ギアを破壊します。けれども、優を捕獲しようとした米軍の大型兵器を止めることはできませんでした。大型兵器は優の作った宮殿に衝突すると、大爆発を起こします。これを好機と判断したニアヴは自分の住む宮殿を人間界に顕現させると、優の作った宮殿を飲み込んでしまいました。

一方、優を止めることができなかったラーズグリーズはアース神族の世界であるアースガルズに戻ると、優を取り戻せるくらいに自分を強くして欲しいと懇願します。彼女の願いを聞いたアースガルズの巫女は、ラーズグリーズのその想いに希望を見いだし、彼女の願いを聞き入れました。

優の持つラグナロクの力を手に入れたニアヴによって、彼女のしもべである妖精達はどす黒く変容していきます。その妖精達によって、人間界を含めたすべての世界は黒く塗りつぶされていきました。ニアヴは早速、それぞれの国を統べる長へ降伏勧告を行います。もちろん、その国には日本やアメリカといった、人間界の国々も含まれていました。圧倒的な力量差を前にして、どの国も手も足も出ません。人間界で老人の姿を借りて事態を静観していたオージンは、娘である戦乙女達、そして縞子とともに、優を取り戻すため二アヴの宮殿へ攻め入ることを決めました。

ダーナ神族の王であったルーやその息子のニアザ、そしてマリアをはじめとする黄道十二宮の天使達の協力も得て、オージン達は一気にニアヴのもとへ迫ります。しかし、宮殿の壁は歪に姿を変え、彼らを取り囲んですり潰そうと近づいていきました。オージンの槍すらはじくその壁に誰もが諦めかけたそのとき、天空から壁を破壊する一撃が彼らを解放します。そこにいたのは、アースガルズの巫女達の力の一部を受け継いだラーズグリーズでした。彼女はミョルニルと呼ばれる強大な力を秘めたハンマーを片手に、優のいる場所を殴り飛ばします。光の中で、優はついにラーズグリーズと再会を果たすのでした。

再会を喜ぶラーズグリーズの目の前に、異形の姿に変容した慎一郎が現れます。ニアヴとともに優からラグナロクの力を3分の1ずつ奪い取った慎一郎は、このまま世界が滅ぶまで自分の側にいろと優に言い放ちました。そして慎一郎は、人間の愚かな実験によってラグナロクの力を身に宿してしまった優を、人間やアース神族、そしてニアヴから守るために動いてきたことを告白するのです。慎一郎の真意を知った優が困惑する間もなく、ニアヴはラグナロクの力ですべてを支配しようとしていました。戦乙女達とニアヴの最終決戦は目前に迫っています。

北欧神話と日本神道をベースにした本作において、このエピソードではついに米軍まで登場します。戦乙女の能力を兵器に転用するその設定は、本作が重厚なファンタジーであるだけではなく、SF的な要素も併せ持つ贅沢な作品であると言えるでしょう。しかも、優のラグナロクの力は神の力そのものであり、この力を封印しようとする神道一派の封印派と、力を制御し利用しようとする掌握派の存在が、話に深みを持たせます。実は米軍も、そして米軍に協力する自衛隊の一派も、かねてより優をマークしていた掌握派だったのです。

そして慎一郎は、この封印派と掌握派に分かれて優を狙う人間達の存在から、彼を守るために暗躍していたのでした。慎一郎は優を自分の側に置いておくことで、彼をあらゆる謀略から保護しようとしていたのです。しかし、汪宿市に戻り、新しい居場所を見つけた優にとって、慎一郎の優しさは独りよがりなものでしかありません。一度は自らその身を封印しようとしていた優が、ラーズグリーズ達との再会を経て慎一郎を拒絶するシーンは、親の庇護下にあった子が自立していく姿とも重なります。重厚な設定に目を奪われがちな『セレスティアルクローズ』において、登場人物の感情の機微がきちんと描かれているのも、本作の魅力のひとつなのです。

『セレスティアルクローズ』の登場人物

神渡優

本作の主人公。汪宿学園の中等部に在籍している。母親が病気で亡くなり、親戚を頼って6年ぶりに故郷の汪宿市へ戻ってきた。兄弟は失踪した兄の慎一郎のほかに、慎一郎の双子の弟である誠一郎がいた。父親のことは覚えていない。右目は義眼であり、その奥に宿る力を使って常人離れした弓術を振るうことができる。実は右目の奥にはラグナロクの力が封じられており、この力に引き寄せられるようにしてラーズグリーズは優と思いがけない出会いをすることになった。戦乙女の鎧としてラーズグリーズに力を貸し与えることになる。

ラーズグリーズ

本作のもうひとりの主人公。アース神族の主神オージンに仕える戦女神のひとりである。生まれたばかりのため、人間界に対して少し偏った知識を持っている。名前の意味は「計画を壊すもの」である。生身でも並の悪霊や化物を退けることができるものの、優を鎧として身にまとうことで、戦乙女としての強さを十分に発揮することができる。人間や姉の戦乙女が見せる感情の機微を理解できなかったが、優が自分を置いて自ら封印されに行く際には、はじめて悔しさとも悲しさともとれる涙を見せた。

神渡縞子

優の従姉。清汪流神社の正社員であり、巫女でもある。縞子の父である巌は優の父の兄にあたる。巫女としての仕事をこなす傍らで、優の通う汪宿学園の女子弓道部で弓を教えている。容姿端麗かつ家事万能であり、穏やかな性格をしているため、学生からの人気は非常に高い。母親を亡くしてひとりになった優を心配しており、甲斐甲斐しく彼の世話をする。のちにオージンの頼みを受けて、優を助けるために自ら戦乙女へと変容していく。

銀連寺マリア

汪宿市にやってきたエクソシスト。祓魔術として構成された武術である祓魔演武を習得しており、エクソシストとしての腕は一流である。その正体は黄道十二宮の天使のひとりであり、炎の剣を武器に戦乙女と互角以上の力を振るう。かつて東京の小学校で優に出会っており、そのときの事件がきっかけで、天使としての自分の宿命を受け入れるようになった。感情が高ぶりすぎると妙な言葉遣いになってしまう。

神渡慎一郎

6年前に失踪した優の兄。双子の弟である誠一郎が実験で犠牲となって以来、人間を憎むようになる。そして優を人間や神々から守るために、自分の友人達を生贄として異世界に通じる門を開けようとした。しかし、優を連れていくことはできず、彼だけが人間界から脱出してしまうことに。ニアヴのもとで騎士として彼女に仕えているものの、真に彼女に忠誠を誓っているわけではなく、むしろ優の力を狙っているニアヴに対しても警戒心を抱いている。

アルヴィト

ラーズグリーズと同じ戦乙女のひとり。ラーズグリーズと同じく可愛らしい少女の姿をしているが、年齢は約300歳である。約300年ものあいだ、自分の鎧を持つことはなかった。しかし、汪宿市で出会った四ノ宮正隆との出会いを経て、彼を鎧に迎え入れることになる。母親は先代のアルヴィトであり、人間の英雄であるスヴェンとのあいだに生まれたのが現在のアルヴィトである。彼女が鎧に対して操を立てていたのは、両親の仲睦まじい姿を好ましく思っていたからに他ならない。喜怒哀楽の感情が豊かであり、あやかと伏彦が失意のうちに騎士として消滅していくのを見て涙する一面も持ち合わせている。年齢のせいか、少し年寄りめいた話し方をする。

オージン

アース神族の長であり、戦乙女達の父。オージンと戦乙女のあいだに血はつながっておらず、正確には義理の父にあたる。人間界では老人の姿をとり、お供のカラスを連れて戦乙女の様子を遠くから見守っている。普段は冴えない様子が多いものの、戦乙女のピンチには身を挺して助けに入るなど、家族を大切に想っている様子が描かれる。山のような大きな姿をとることが可能であり、投擲する槍はニアヴの騎士を一撃で仕留める威力を持っている。将棋のようなゲームを好み、人間界でも見知らぬ老人達と将棋を指しているシーンがある。

ニアヴ

ティル・ナ・ノグの女王。相手を操る魔法に長けており、配下の妖精達を手下に置くだけではなく、先代の王であったルーを幽閉し、自分の意のままに操っている。悲しみや怒り、戦いや敗北のない完全無欠の世界を作ることを目的としており、その目的のために失敗した配下には容赦がない。

『セレスティアルクローズ』の世界

戦乙女

アースガルズに集う、女性の姿をした神の使い。人間界の戦場を渡り歩き、神が望んだ英雄を勝利に導く役割を担っている。また、やがて訪れるラグナロクのために死した英雄をヴァルホルへ連れていく役目がある。強い力を持った素質のある人間を自分の鎧にすることが可能であり、鎧をまとうことで戦乙女としての能力を極限まで引き出すことができる。また、鎧が思い描いた強いイメージをそのまま力に還元することが可能である。人間界で活動する際には普通の女性と変わらない姿をとっている。

破滅の因子

アース神族の最後の戦いであるラグナロク、それがもたらす定められた結末を狂わせる鍵の役割のこと。その正体は優の右目に宿ったラグナロクの力そのものであり、ニアヴはこの力を利用してラグナロクそのものを手中におさめようとしている。

汪宿四社

汪宿市に存在する飛鳥戸神社、方雲神社、清汪流神社、そして五笛尻神社の四つを指す。総代は神垣内常久。汪宿市の結界を司る役目を担っており、外部から悪霊の類いが侵入してくるのを防いでいる。他方、市内の猟友会を管理し、警察とも連携をとることで、市内で発生した怪異への対策も講じている。また、優が持つラグナロクの力を把握しており、非常時にはこれを優ごと封印することも辞さない。さらには汪宿天文台や礼蘭学園を創設し、汪宿市に流れる力を監視するとともに、非常時に対抗できる人材の育成に力を入れている。

レーヴァティン

人間界に封印されていた、封印そのものを断ち切る剣。長らく自衛隊の基地において、兵器として研究を行うために保管されていた。ニアヴの命を受けた騎士によって強奪された結果、汪宿市の結界は一時的に破られることになり、騎士以外の怨霊が戦乙女に襲いかかる事態を招いてしまう。あらゆる封印を解除する力に危険を感じた優は、自分自身を封印しようとする際に、レーヴァティンも一緒に持って行こうとしていた。

封印派と掌握派

太平洋戦争中に旧日本軍が汪宿の学者に命じて研究させたラグナロク兵器の開発を発端として、その兵器を封印、もしくは活用しようとする一派のこと。汪宿四社やその施設である汪宿天文台、そして礼蘭学園は封印派に属している。一方、自衛隊や米軍は優の持つラグナロクの力を利用しようとしており、掌握派に属する。現代において掌握派は急速に台頭し、兵器の開発を進めてきている。そのきっかけとなったのは優の父親である神渡勝仁であり、彼はラグナロクを現代の日本に出現させるために優の右目をえぐり取った張本人でもある。また、勝仁がアメリカに渡った際に米軍と取引を行ったことにより、米軍から掌握派における多額の研究資金を引き出したといわれている。

セレスティアル・ドールズ

封印派が用いる、戦乙女を模した兵器のこと。礼蘭学園で魔法の才能を見いだされた生徒のうち、選ばれたものだけが搭乗することができる。パワードスーツのように人間の体を包み込むような形状をとっているものの、実は複座式であり、サポートに回る者が魔法で人形の姿に変容して機体のエネルギー源を担う。作中では1号から3号まで確認されており、いずれも戦乙女やニアヴの騎士と互角以上に渡り合っている。しかしそのうちの2号機は優を誘拐したことに怒りを覚えたマリアによってねじ伏せられた。

セレスティアル・ギア

掌握派が用いる、戦乙女を模した兵器のこと。セレスティアル・ドールズの情報を米軍が極秘に入手し、開発した兵器である。勝仁が開発したエンジンにより、パイロット一人で運用することができる。全部で5機存在しており、単機での戦闘能力は戦乙女3人がかりでようやく互角に渡り合えるほど。また、内蔵された干渉波動発生装置によって、戦乙女と鎧を分離させることも可能である。作中では戦乙女となった縞子が放つ強力な遠距離攻撃で撤退を余儀なくされた。

『セレスティアルクローズ』の感想・評価

ネタバレにご注意ください
感想・評価にはネタバレが含まれる可能性がございます、ご注意ください。

とても良い

圧倒的な脅威が迫る時、優とラーズグリーズが“ひとつ”に合わさる!ですって。なんとロマンチックなんでしょう。

 さつま揚げ。 さん(60代/男性/個人事業主/既婚)

「ユウベルブラット」「ブロッケンブラット」の塩野が放つ、渾身のファンタジーアクション!!この作品は美しい。ミワタリユウとその彼の前に現れたラーズグリーズ。二人が一つに逢わされるシーンは感動的でした。

 ゆうゆう。 さん(70代/男性/パート・アルバイト/既婚)

主人公が可愛いファンタジーは大好きです。

 たけお さん(50代/男性/正社員/既婚)

謎の美少女ラーズグリーズがセクシーでかわいい

 とっしー さん(40代/男性/個人事業主/独身)

とてもかっこいいシーンが多く手に汗握る場面もあったのでとても楽しみました。

 チョコレート ステーキ さん(50代/男性/個人事業主/既婚)

良い

神渡優がもう少し成長できるような仕組みが欲しかった。けど、戦闘シーンの迫力には驚きを感じた。

 kぢえ さん(20代/男性/学生/独身)

読んでいて非常にワクワクしたマンガです。

 加奈子 さん(20代/女性/個人事業主/独身)

アクションシーンや、弓を射るシーンの作画がきれいで、読んでいて楽しめました。

 はら さん(10代/女性/学生/独身)

ふつう

不思議な感じの始まりで、ファンタジー要素満載です。登場人物が可愛いので、癒されます。

 ゆうちゃん さん(40代/女性/専業主婦(主夫)/既婚)

とても丁寧な絵柄で、好感度はとても高いです。けれど、好みのストーリーではありませんでした。

 モモ さん(50代/女性/個人事業主/既婚)

主人公のもとに一人の少女があらわれて、怪物と戦うという、ありがちな設定です。絵柄はかわいいけど、今ひとつ感情移入は出来ない内容でした。

 ひかり さん(30代/女性/専業主婦(主夫)/既婚)

悪い

私はあまり好きではなかった。内容的に感情移入できなかった。

 とま さん(20代/女性/パート・アルバイト/既婚)

北欧の神話や日本の神をイメージとした設定はよかったが、作画は少し安っぽいかな。

 nori さん(40代/男性/正社員/既婚)

登場人物が増えすぎて、話が進むと理解するのが大変でした。

 you さん(30代/女性/個人事業主/独身)

【アンケート概要】
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2018年11月09日~2018年11月19日

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