漫画『紺田照の合法レシピ』の感想・無料試し読み

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『紺田照の合法レシピ』とは

紺田照の合法レシピは講談社の少年マガジンRに2015年4月から連載している料理漫画である。作者はこれまで『意味無し選手権』や『カラダ電気店』などギャグ漫画を主に書いてきた馬田イスケだ。紺田照の合法レシピは任侠道に生きる極道の紺田照が繊細な料理を振るうことで問題を解決していく料理ギャグ漫画である。馬田イスケの独特のギャグセンスと思わず食べたくなる料理の描写がたまらない期待の新作だ。

『紺田照の合法レシピ』のあらすじ・魅力

紺田照は指定暴力団・霜降肉組の新人組員で若干18歳の男子高校生です。古風な任侠魂を持つ紺田は仕事の腕も一流で数々の問題を解決していきます。ハードボイルドな極道の仕事をこなしながらも、頭によぎるのは『今日の献立は何にしよう』ということでした。そう、彼は生粋の料理人だったのです。極道の日常から着想を得た紺田の料理はどれも絶品です。極道ならではの言い回しで表現される食レポも見どころになります。修羅場のなかで培われた紺田のレシピは一見の価値ありです。

『紺田照の合法レシピ』の印象的なエピソード

1巻1話:鬼に包丁

物語は東京に本拠地を置く指定暴力団・霜降肉組と桃嘉十組の抗争から始まります。主人公である紺田照は霜降肉組の新人組員です。ある日、シマの取り合いをしていた桃嘉十組から『今からおたくらを襲撃する』と戦線布告の連絡を受けます。連絡から間もなく、物騒な銃火器を持った大柄な男達が霜降肉組の事務所に殴りこんできました。

『組長を出せや!殺すぞコラぁ!』怒声と共に銃を向けられる紺田照。しかし、彼は全く動じません。それどころか拳銃を持つ男の前までおもむろに歩き出し、銃を掴んで『俺の命で収めてもらえませんか』と凄みます。『さぁ、好きにして下さい、煮るなり焼くなり揚げるなり』と座った目で言う紺田の背後には恐ろしい鬼の影が映っていました。鬼の形相に戦意のそがれた桃嘉十組の組員はそそくさと撤退していきます。『よくやった』と先輩組員に肩を叩かれる紺田ですが、彼には極道の仕事よりも重要な案件が控えていました。

それは『料理』です。家に帰った紺田はいつもの動作でエプロンを手に取り身につけます。そして、包丁を取り出し手慣れた手つきでネギを刻み始めました。紺田にはどうしても今日中にカタをつけなければいけない案件があったのです。それは、賞味期限間近の辛子明太子でした。福岡での拳銃(チャカ)の取引の際、買って帰った辛子明太子が一本、冷蔵庫に残っていたのです。明太子パスタや明太子入り卵焼きなどオーソドックスな料理は作った後だったので、レシピに思案を巡らせます。

そして、閃いたのが野菜界のリボルバー「れんこん」を使ったレシピでした。このれんこんは、近所の馴染みの八百屋で選んだ一級品です。手際よく皮をピーラーでむき、1cmほどの輪切りにしていきます。切ったれんこんは酢水につけて黒ずみを防ぎます。明太子は皮から中身をそぎだし、マヨネーズと和えておけば明太マヨソースの完成です。味にアクセントを与える大葉は香りが飛ばないように裏側に触れずに、水洗いしておきます。

そして、最後に取り出した隠し味を加えて、れんこん・明太マヨソース・大葉を合体させます。『くく、銃の組み立てよりよっぽど楽しい』そう呟きながら繊細な手つきで料理を進める紺田の後ろ姿は料理人そのものです。天ぷらの衣をくぐらせ、熱した油で揚げれば「れんこんのピリっと明太はさみ揚げ」の完成です。さらに、仕事で処理した人間を埋めるために入った山で取った天然なめこは「なめこ汁」にして、炊き立ての白米を添えれば定食が出来上がりました。

さっそく、実食に移る紺田。一口頬張った瞬間、拳銃で撃ち抜かれたような衝撃が口の中に広がります。れんこんのシャキシャキ感と明太子のプチプチ感が絶妙にマッチしています。さらに、隠し味として入れたアボカドがマイルドなコクを生んでいました。『米だ。米を食わずにはいられない』そういって米を口いっぱいに頬張る紺田。さらに、なめこ汁を流し込めば口の中はまさに戦争です。『どいつもこいつもぶっ飛んでやがるぜ』そう呟きながら紺田は一息で料理を食べつくしてしまいました。そして、翌日『今日の献立は何にしようか』紺田は今日もレシピに頭を悩ませるのでした。

2巻11話:煙の中の死闘

指定暴力団・霜降肉組は懇親会として近所の河川敷でバーベキューを行っていました。そこには若頭の狼須武蔵(ろうすむさし)の姿もあります。『焦がしたらお前も焦がすぞ』などと冗談を交えながら和やかにバーベキューを楽しんでいた組員一同。そんななか、いきなり長いヒゲとボサボサの髪で汚らしい身なりをした老人がやってきます。『ふひひひ、私にも少し恵んでもらえませんかねぇ』といいながら近寄ってくる老人、一見すればホームレスにしか見えません。

『炭火焼に目がないものでぇ、すみません』『炭だけに、ふひひ』と面白くもないギャクをかましながら、老人はバーベキューの肉を勝手に食べ始めました。『でも、この牛タン食べないで正解ですよ、ゴムみたいに固いから』『常温に戻してから焼かないからぁ、高級牛タンが台無しだ』とやけに詳しい指摘する老人。『ふひ、この玉ねぎも皮ごとホイルに包んで炭の中でじっくり焼けば美味しいのに』そう呟く老人の言葉に紺田は聞き耳を立てます。しかし、組員達もこの状況に黙ってはいられません。『喰った上に文句言ってんじゃねぇ』組員の1人が老人の胸倉をつかもうとした瞬間『イタタタ、骨折れた、尾てい骨以外全部の骨折れたぁ』と老人が叫び始めます。

あまりの奇行ぶりに組員達も呆然と立ち尽くしてしまいました。狼須にいたっては女をつれて帰っていきます。『興ざめだな、後片付けは任せたわ』そういって河川敷を後にする組員達。その様子を見計らった後、老人は紺田に近寄ってきます。『ねぇねぇ、白服のお兄さん、何か他にありませんか』と物乞いをする老人に紺田は事前に仕込んでいた豚肩ロースを振る舞いました。保存パックを開け、タレに漬かった豚肩ロースの香りをかいだ老人は『醤油、鮭、ハチミツ、それにおろしリンゴも入ってますか?』と匂いだけで調味料を言い当ててしまいます。

『はい、そうです』老人の的確すぎる指摘に驚きながらも肉を焼いていく紺田。『まずは強火で焼いていきます』『焼目がついたら炭の少ない場所でじっくりと火を通します』丁寧に肉を焼いていく紺田の姿を老人はじっと見つめています。『仕上げにアルミホイルに包んで蒸し焼きにします』焼き上がった豚肩ロースは、外はこんがりで中は肉汁がぎっしり詰まった状態です。『ありがたや』『ありがたや』そういいながら肉を頬張る老人。『うん、旨い』『醤油ダレがしっかり染みて、おろしリンゴのフルーティな香りが鼻を抜ける』そういって恍惚として表情を浮かべます。

『しかし、いささかパンチにかけますねぇ』『豚の臭みもわずかですが残っています』鋭すぎるコメントにたじろぐ紺田。『香り付けにローズマリーを埋め込むとか、ナラの小枝を炭火に入れて燻すとかできたんじゃないですか?』そう指摘する老人をみて、紺田は確信します。『この人は只者ではない』そう確信した紺田はあるものを老人に差し出しました。『これを付けてこの料理は完成です』そういって紺田が差し出したのは桃色のタルタルソースでした。『はて、なぜ桃色なのでしょう、気味が悪いですね』悪態をつく老人ですが、紺田の言われたとおり桃色のタルタルソースを肉につけて再度食べます。老人は口に入れた瞬間、桃色の正体を見抜きます。その正体とは「紅生姜」でした。一般的なタルタルソースにはピクルスが入っていますが、紺田は豚肉との相性を考えて紅生姜でタルタルソースを作っていたのです。

まず、玉ねぎとゆで卵を粗みじんにし、刻んだ紅生姜とマヨネーズを和えます。そこにお酢を少し加えることで味に深みを出します。この桃色ソースに下味を付けて焼いた豚肩ロースを合わせて食べれば、口の中で最高のハーモニーを奏でてくれます。『この旨さ、フランスの三ツ星レストラン【ル・ブリスドス】で食べた子羊のロースト依頼の衝撃!』そう呟いた老人は『わざわざ潜入した甲斐がありました』と言い残して去っていきました。数日後、ロシアでの大きい取引に紺田が相手先暴力団の会長から指名されます。そう、先日の老人は指定暴力団・肉食界総本部会長「鰭中幻一郎(ひれなか げんいちろう)」だったのです。

3巻17話:囚われた旨み

紺田は珍しく事務所から休暇をもらいとある刑務所に赴いていました。「餡走刑務所」という看板がついたその刑務所には『軽火仗太郎(かるび じょうたろう)』という男が収監されていました。その日は軽火が出所する日であり、紺田はその男にわざわざ会いに来ていたのです。刑務所の前についた紺田、そこにちょうど刑務所から今しがた出所してきたチンピラが歩いてきます。そして、紺田を一瞥し『軽火なら看守殴って懲罰房行きだぜ』『今日が出所の日だってのに馬鹿な野郎だ』そう言い残して去っていきました。

紺田には食堂を経営していた母親がいました。幼い頃から料理人の夫婦に育てられたことから、紺田は料理に対して繊細な味覚を持っていたのです。しかし、ある日突然、母親が通り魔に襲われます。人質に取られた母親を助けようと『俺が人質になるんで、母さんを離してください』そう凄む紺田。幼いながらも迫力のある紺田に恐れをなした通り魔は持っていたナイフで紺田に切りかかりました。通り魔の振りかざしたナイフは紺田の右目を縦に切り裂きます。その様子を見た母親は紺田の元に駆け寄ろうと通り魔を押しのけました。人質に手を出されたことが勘にさわった通り魔は母親に切りかかります。『母さんが切られる…』紺田がそう感じた瞬間、大柄な男の背中が紺田の目の前に現れます。その男こそが軽火でした。

軽火は母親の楯となり右肩にナイフを受けます。『どうした。もう終わりか?』『歯ごたえのない野郎だな』そういって軽火はナイフの傷をものともせず、通り魔を殴り倒したのです。そして、紺田にこう告げました。『おい、ボウズ、母ちゃんを守る正義感は大したもんだ』『だがな、力のない正義に意味はねぇ』『男なら力をつけろ』そういいながら、血まみれのジャケットを脱いだ軽火の背中には大きな牛の刺青がありました。そして、最後に『肉を喰え』という言葉を言い残し、軽火は去っていったのです。作中には書かれていませんが、紺田が極道を目指すきっかけとなったのもこの軽火の言葉があったからかもしれませんね。そして、この日を境に紺田は肉をよく食べるようになりました。

4巻23話:フルーティなカチコミ

『なんや、これで仕舞いかい』『こいつは案外大した事無いなぁ』指定暴力団・霜降肉組5代目組長「霜降美月(しもふり みつき)」が紺田に向かって言います。ここは5代目組長の自宅、紺田は料理の腕を見込まれてお茶会の茶菓子としてカスタードクリームを作っていました。出来上がったところで組長がカスタードクリームを試食すると『滑らかな口どけ』『絶妙な甘さとクリームのコクがええあんばいや』そういいながら感動しています。隣には組長の1人息子で組の跡取りとなる「霜降羽牟助(しもふり はむすけ)」もカスタードを頬張っていました。

保存パックにカスタードを入れた紺田は粗熱を冷まそうと冷蔵庫のドアを開けます。その瞬間『ドガガガガ』広い屋敷に銃声が響き渡りました。『組長、すみませんがこれを』そういいながら紺田はカスタードをいれた保存パックを組長の着物に押し込みました。『は?どうゆうこっちゃ』状況が理解できない組長を後目に、紺田は戦闘態勢に入ります。

外の様子をうかがう紺田。そこには、銃で撃たれた組員達が庭に横たわっていました。『おお、いたいた』紺田が後ろを振り返ると、そこには桃嘉十組若頭補佐の渋井柿也が拳銃をこちらに向けています。『なんか面白い殺り方ないかぁ』と殺し方を思案している渋井に組長は冷静に『どうゆうつもりや』と襲撃の理由を尋ねました。『あんたを殺れば霜降肉組は弱体化する』『シマが増えれば俺の出世は約束されるんだよ』そういって組長の眉間に銃を突きつける渋井。『考えの浅い無能やなぁ』『あんたがウチの命(たま)を取ったところで霜降肉組は動じひんで』組長は座った目で渋井をにらみつけます。

組長の凄みに圧倒された渋井は懐からリボルバーを取り出し、紺田に命令します。『こいつで組長を殺せ』『そうすればお前の命は助けてやるよ』紺田に交換条件を提示したのです。激怒する羽牟助を後目に紺田はリボルバーを手に取り『組長、坊ちゃん』『すみません』そう言って組長の右胸をリボルバーで撃ち抜きました。組長は胸を抑えたまま畳に倒れ込みます。悲鳴を上げる羽牟助、渋井は『こいつ、マジでやりやがったよ』と笑いながら紺田の肩に腕を乗せます。そして、渋井たちは紺田と羽牟助に危害を加えることなく去っていきました。

『紺田、てめぇ』『この世から絶縁させたる!』泣きながら鬼のような表情で紺田に襲い掛かろうとする羽牟助。『待ちぃや、羽牟助』か細い声で羽牟助を静止したのは撃たれたはずの組長でした。『生きとったんか』『せやけど、血が…』心配する羽牟助ですが、畳に広がっていた赤い液体は組長の血ではなく、飲みかけのブドウジュースだったのです。さらに、組長は懐からカスタードの入った保存パックを取り出します。保存パックには銃弾がめり込んでいました。

『ダイラタント流体です』そう説明する紺田ですが、組長と羽牟助は理解できません。ダイラタント流体とは、瞬間的な衝撃に強力な剛性を持つ物質のことで、カスタードはダイラタント流体のひとつだったのです。驚く組長と羽牟助ですが、紺田は神妙な面持ちです。『知っていたとはいえ、組長を撃つなどというあるまじき行為』『俺の処分は覚悟しています』そう冷静に組長に伝える紺田。しかし、組長は『ウチが撃たれたぐらいで激昂してアンタを破門にするとでも思ってたとはなぁ』と紺田に言葉をかけます。組長の懐の深さにより忠誠を誓う紺田でした。

5巻31話:イカした大脱走

ある日の餡走刑務所、軽火は牢屋の壁を突き破り脱獄を図っていました。軽火は元々霜降肉組の組員であり、当時対立していた鮮魚組若頭『宇津保(うつぼ)』を殺しに向かったのではないかと狼須は推測します。軽火が組に在籍していた当時は鮮魚組と対立していた霜降肉組でしたが、現在では和解が成立。抗争は終息に向かっていたところでした。そんな矢先、軽火の脱走をニュースで見た狼須は紺田たちに軽火の捜索を命令します。せっかく和解にまで漕ぎ着けたこの案件を軽火に邪魔されたくなかったからです。軽火を見つけ次第、拘束し警察に突き出すことを命じられた紺田たちは夜の街に出かけます。

街頭モニターで軽火が釣りのルアーを持っている姿を見た紺田は、ほかの組員と分かれ1人で防波堤へと向かいます。『あ~あ、ずいぶん汚れちまったなぁ』そこには返り血を浴びたようにTシャツにイカ墨がかかった軽火がいました。『よくここが分かったな』『お前は1人で俺を殺しに来たのか、いい度胸だな』そういいながら軽火はイカを釣り上げています。『軽火さんが出所されたら改めて礼が言いたかったのですが』そう切り出す紺田。しかし、軽火は紺田のことを覚えていません。『やはり、覚えていないだろうな』そう心の中で思った瞬間『ところで、母ちゃんは元気か』『お前も肉食って鍛えてるだろうな』軽火は呟きます。『精進します』そういいながら一礼をする紺田は両手を強く握っていました。『ところで、なぜこんなところで釣りを?』尋ねる紺田に軽火は『気分転換だ』と答えます。遠くから警察のサイレンが聞こえます。『ああ、もう迎えが来たか』『そうだ、お前に頼むか』そういって軽火は釣ったイカを紺田に託しました。

家に返った紺田は軽火からもらったイカの1本を手際よくさばきはじめます。下処理したイカと大根を鍋で茹でて火を通したあと、バターを溶かしたフライパンで炒めます。さらに、白ワインを加え炒めたらイカを一旦取り出し、バターを追加。輪切りにしたナスに塩を振って両面を焼きます。そのあいだ、味噌とマヨネーズ、ニンニクを混ぜ合わせてソースを作り、炒めたイカとナスを耐熱皿に移し、先ほどのソースを上から流しかけます。さらに、チーズとパン粉を振りかけ熱したトースターで10分こんがりと焼けば『イカと野菜の重ね焼き』の完成です。

早速、実食に移る紺田。『うん、こいつはイカしてる』いつものように食レポを行いあっという間に完食してしまいました。一方、刑務所に戻された軽火は先に死んだ妻のことを想います。『なんだい、またボラ一匹かい』『たまにはイカでも釣ってきておくれよ』そう愚痴をたれる妻の姿が鮮明に軽火の脳裏をよぎります。『今日が一周忌と聞いて来ました、紺田といいます』『旦那さんからです』そういって、軽火の字が彫られらた墓前に紺田はイカを供えていました。

7巻44話:せめて、忍者らしく

霜降肉組は忘年会として旅館で宴会を行っていました。しかし、突然、組員の1人である丸長が左肩をボウガンで撃たれ倒れます。敵の襲撃かと戦闘態勢に入る狼須。しかし、紺田は事態の不自然さに違和感を覚えました。そう、これは丸長が自らの株を上げるための自作自演だったのです。敵からの襲撃に身を挺して組長を守れば評価が上がると考えた丸長は、人目を盗んで自分で自分の肩に矢を刺していたのです。この茶番を見破った紺田ですが、狼須は新人組員である原木(バラキ)が敵のスパイだと決めつけてしまいます。

そこで、紺田はみんなが原木に目を取られているあいだに風船を膨らまして破裂させます。『また襲撃です、あちらに逃げました』そう嘘を付いて原木を助ける紺田。原木は間一髪で狼須の拷問から逃れられます。感謝する原木をよそに『いや、助かったのはこっちの方だ』紺田にはあるレシピが思い浮かんでいました。

家に帰った紺田は早速、料理に取り掛かります。まず、ヤングコーンと竹輪を輪切りにして、豆腐を混ぜて塩、片栗粉を混ぜてよく混ぜます。油揚に熱湯をかけて余分な油を落とすと、おもむろに先ほどの具を油揚に詰め込みました。さらに、生卵を入れ油揚げの口をつまようじで止めます。出汁、砂糖、醤油と酒で煮立てたつゆにきんちゃく袋を投入。中の具に火が通るまで煮込めば「豆腐と卵のふんわり巾着煮」の完成です。『出撃といくか』熱々の巾着袋を口いっぱいに頬張る紺田。『なんと、今にも暴走しそうなほど旨い』『旨味が限界突破している』そう呟きながら今日の料理に満足する紺田でした。

『紺田照の合法レシピ』の登場人物

紺田照(こんだ てる)

本作の主人公で、東京都の指定暴力団・霜降肉組の新人組員だ。幼い頃、通り魔に襲われた母を霜降肉組の軽火に助けられたことから極道を目指していた。右目の傷はそのときの通り魔に切り付けられた傷跡だ。軽火に『力の無い正義は無意味』『肉を喰って体を鍛え、力をつけろ』といわれたことから肉を好んで食べている。鋭い眼光と威圧感を放っていることから組の者たちも一目置いている存在だ。もっとも、年齢は18歳で都内の高校に通う男子高校生である。高校にはヤクザという身分を偽って入学しているが、普段から白のジャケットに白ネクタイをしているため同級生からは疑われている。高校の生徒指導教諭も紺田の威圧感には勝てず、校則違反の格好でも紺田だけ許されている状況だ。

そんな紺田の趣味は料理で、極道の仕事をしている最中に思い浮かんだレシピを毎晩試行錯誤している。特に、料理の核となる素材はその日の仕事から着想を得ることが多く、料理の味も極道の世界にちなんだ言い回しで表現している。毎日、学校に持っていく弁当も自分で作っており、その仕上がりから母親に作ってもらっていると同級生からは勘違いされているのである。彼自身、自分のことを主張する性格ではないため普段は寡黙であるが、弁当に関しては心のなかで『自分が作ったのにな』と呟いている。常に料理のことが頭から離れないため、色んな場面で料理になぞらえた言葉や例え話を多用する。

狼須武蔵(ろうす むさし)

霜降肉組の若頭で組一番武闘派。一度火がつくと誰にも止められないのがこの男である。髪型やその風貌はまさに狼そのもので、食べ物を粗末にする奴は誰であっても容赦しない。組員の1人である丸長がピーナッツを鼻に詰めて飛ばした際、『生産者の気持ちを考えたことあんのか』『ピーナッツの気持ちを考えたことあんのか』と丸長をボコボコに殴り倒している。『骨をも残さぬ狼』との異名を持つ狼須は食にとことん厳しい男だ。そんな狼須の唯一の弱点は「女好き」ということだ。どれだけ修羅場になろうともいい女がいれば態度は180度変わる。組員もこの性格を知っているため、厄介なことになりそうなときはとにかく女を用意しようと動くのだ。

また、狼須が女を口説くときのセリフがダサいのも見どころである。『君になら殺されたってかまわない』『さぁ、恋のリボルバーをぶっぱなしてくれ』と女に迫る姿は見るに堪えない。かといって、一度キレると手がつけられないため誰も口出しできない面倒な男なのである。もっとも、やるときにはやる男なので組員からの信頼は厚い。

霜降美月(しもふり みつき)

霜降肉組5代目の女組長。3年前に先代の組長で夫の肉蔵を失ってから、1人息子の羽牟助(はむすけ)を女手一つで育てている。容姿端麗で、きっちりと夫の任侠道を受け継いでいるため組員からの信頼も厚く、紺田も忠誠を尽くしている組長だ。敵対している桃嘉十組の若頭補佐が襲撃に来た際、紺田が組長を守るため銃撃したことに対しても『ウチが銃撃されたくらいで激昂するとでも思ってたとはな』と懐の深さを見せつけている。

もっとも、完璧主義で少し融通が効かない性格のため、空回りすることも多い。羽牟助に栗ご飯を食べさせるときも完璧を求めるあまり、羽牟助の希望を叶えることができなかった。それを見た紺田は独自のレシピを提案、そのレシピのおかげで羽牟助が栗ご飯を食べたことから紺田に一目を置くようなったのである。その後は、事あるごとに紺田を呼びつけて料理を作ってもらうようになる。その様子を横でみていた羽牟助は『紺田がうちに来てくれたら毎日旨い飯が食えるのに』と呟いたことに対して、まんざらでもない反応をしている。しかし、組長という立場があるため紺田に対して明確に好意を示している訳ではない。

『紺田照の合法レシピ』の世界

指定暴力団・霜降肉組

東京都を根城にしている暴力団。指定暴力団・肉食総本部の下部組織であり、組長は代々霜降家が務めている。現在の組長は5代目霜降美月で、若頭は狼須武蔵だ。主な組員は紺田・丸長・美濃で、ほかに数十名の組員を構成員としている。主に銃器や高級食材の密輸を行っているが、大麻などの禁止薬物の斡旋や売買は行っていない。組員にも薬物の使用を固く禁じており、もし破った場合は破門(死刑)である。組員の1人である美濃がシャブ(薬物)を注射しているという情報が狼須の耳に入ったときには『裏切り者には死あるのみだ』とかなり厳しい態度を示している。

東京都内のスナックや飲食店からのシノギ(上納金)を運営資金としており定期的に組員を派遣し経営状況を監視している。店舗としても霜降肉組の組員をボディーガード役として雇っている意味合いがあるため、組員には相応の働きを求めるのだ。スナックや祭りの露店などが霜降肉組のシノギとなる。ほかにも、ロシアのマフィアと手を組みキャビアの密輸などを行って金を稼いでいる。

指定暴力団・桃嘉十組

霜降肉組と対立している暴力団。霜降肉組とシマを取り合っており、たびたび抗争になるほど仲が悪い。いきなり霜降肉組の事務所に銃器を持って乱入したり、組長の家を突然襲撃したりとあまり計画性が見られない。組長を殺すため色々と計画を練るが、実行力に欠けるため全く上手くいかないのだ。組長の1人息子である羽牟助を誘拐するときも、人質交換として美濃の彼女をさらうが、丸長に邪魔されあっさりと人質を渡してしまう。

カチコミ

極道の世界で敵に襲撃をかけること。『敵の事務所にカチコミに行くぞ』というような使い方をする言葉である。霜降肉組の組員では新人の原木がよく使う言葉だ。本来の意味は『殴り込みに行く』という意味だが、紺田は料理を始めること自体を指して使っている。具体的には『さぁ、カチコミだ(料理開始だ)』という感じである。

リボルバー

複数のチャンバー(薬室)を設けた回転式の弾倉を持つ小型拳銃である。発泡時に薬きょうを排出しないため弾詰まり(ジャム)が発生しにくいという特徴を持つ拳銃だ。一方、オートマチックの自動拳銃は発泡時に薬きょうを排出する際にジャムを起こしやすく、上手く発泡できない場合がよくある。リボルバーはジャムを起こしにくいという特性から護身用としてよく利用されており、本作でも紺田がリボルバーを所持しているシーンがある。もっとも、紺田は拳銃のリボルバーよりも野菜界のリボルバーである「れんこん」のほうが好きなのだ。れんこんの穴が開いている様子をリボルバーに例えるあたり、紺田がどれだけ料理のことで頭がいっぱいなのがよく伝わる。

タジン鍋

北アフリカのアグリブ地域で作られる鍋料理が「タジン」と呼ばれることから、タジンを作る際に利用される土器をタジン鍋と呼ぶ。円錐状の独特な形をした蓋が特徴で、食材から出る水蒸気や香りを逃さず蒸し焼きに出来る鍋である。水を使わず食材の水分だけで調理できるため、水が貴重な北アフリカでは重宝される土器だ。油を使わずに野菜や肉に火を通すことができるため、ダイエットにも活用できる優れものである。本作の中で紺田は割れたビール瓶からタジン鍋を着想している。

屍舞(シーウー)

麻薬密売組織『死川麻暴(しせんまーぼー)』のリーダー回鍋婁(ほいこーろー)が開発した強烈な中毒性のあるドラッグ。製造コストは非常に安価な割に、この世のものとは思えないほどの痺れる快感を味わうことができる逸品である。その依存性はヘロインやコカイン以上で、一度試した客は屍のように次から次へと求めてくる。その姿が舞を踊っているように見えることから屍舞という名前がついている。売りさばけば儲けられることは確かだが、霜降肉組若頭の狼須は取引に応じなかった品である。

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