漫画『孤独のグルメ』の感想・無料試し読み

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『孤独のグルメ』とは

『孤独のグルメ』は、松重豊主演で大ヒットしたテレビドラマシリーズ『孤独のグルメ』の原作であり、もちろんグルメ漫画である。原作は久住昌之、作画は谷口ジロー。
テレビドラマシリーズは7シリーズも作られたが、原作である『孤独のグルメ』は全32話、単行本にして全2巻である。1994年に扶桑社の『月間PANJA』で連載スタート。1996年に連載終了し、1997年に単行本第1巻が発売された。その後、2008年から2015年まで同じく扶桑社の『SPA!』に不定期連載され、単行本第2巻が発売されたのは2015年である。物語はすべて1話完結で、主人公の中年男性、井之頭五郎が食事をするシーンを中心に描かれている。

『孤独のグルメ』のあらすじ・魅力

『孤独のグルメ』は、ひとりで食事をすることにこだわりを持った中年男性の物語です。主人公の井之頭五郎は、輸入雑貨の貿易商。個人でやっていて、店も構えていません。よくわからない職業ですが時間はあるようで、どこで食事をするかウロウロ歩き回っています。物語はほぼ、五郎の独り言や心の声で構成されます。この五郎の独白が、『孤独のグルメ』の最大の魅力なのです。

五郎は、食事に対してかなり強いこだわりを持っています。例えば、ぶた肉炒めと豚汁を注文し、豚がダブってしまったと落ち込んで見せます。1回の食事中に食材がかぶるのを異常に嫌うのです。そのこだわりが、見ていて面白のです。また、それだけこだわっているくせに、五郎は何度も何度も食材をダブらせるミスを犯します。料理を注文するときはいつも空腹で、あせって頼みすぎてしまうのが原因なのです。

また、グルメ漫画の主人公でありながら、酒が飲めないのも珍しい特徴です。酒が飲めないのに酒場が好きで、飲まないのにおでんだけ食べてもいいか、お茶漬けだけ食べて帰るのはありだろうかと、いつもクヨクヨ独りで悩んでいます。そこが共感できてとてもいいのです。

グルメ漫画なので、登場する料理にも当然魅力があります。五郎が訪れる店は、実際にある店をモデルにしています。連載から年数が経っているので潰れてしまった店もありますが、五郎と同じ料理を食べたければ、その気になれば食べることができるのです。グルメ漫画ファンとしては、主人公と同じ料理を食べられることほど、嬉しいものはないでしょう。

最後に、魅力的な脇役たちを忘れてはいけません。『孤独のグルメ』の主人公井之頭五郎は、友人や誰かと食事をすることはありません。いつもひとりです。しかし、訪れる店の店主、店員、客、通行人など、さまざまな人間が登場します。五郎は歩きながら、料理を待ちながら、食事をしながら、周りの人間たちをいつも観察しているのです。どんな職業なのか想像したり、食べているものをのぞき見たり、次から次へと感想を心の中で話します。読んでいるこちらも、彼らがどういう人間でどんな人生を歩んできたのか興味が尽きないように描かれているのです。五郎が触れなかった人々にも、しっかりと存在感があります。そのため『孤独のグルメ』は、何度読んでも新しい発見がある、飽きない漫画なのです。

『孤独のグルメ』の印象的なエピソード

1巻1話:井之頭五郎登場

記念すべき第1話目です。『とにかく腹が減っていた』、主人公の井之頭五郎は冒頭からお腹を空かせて登場します。スーツ姿でポケットに両手をつっこみ、うつむき加減で不機嫌そうに歩いています。五郎は輸入雑貨の貿易商です。仕入れた輸入雑貨を置いておく格安の倉庫があると聞いて南千住まで来たのですが、行ってみると倉庫は想像以上のボロで話しになりません。全くの無駄足で、空腹で、おまけに道に迷い、追い打ちをかけるように雨まで降ってきました。

走って商店街のアーケードに飛び込む五郎。しかし、アーケードにいる人たちからよそ者を見るような目で見られます。五郎も負けてはいません。しっかりと、商店街にいる人たちを観察しながら歩いていきます。五郎は食事だけではなく人間観察も好きで、いつもよく周りの人間を観察しています。五郎が観察する見ず知らずの関わりのない人たちにも物語が感じられて、そこがこの漫画の大きな魅力のひとつになっているのです。

周囲からジロジロ見られる気まずさからか、心の中で『焦るんじゃない』『俺は腹が減っているだけなんだ』『腹が減って死にそうなんだ』と負け惜しみをつぶやきながら歩く五郎。しかし、周囲の人たちをしっかり観察することはやめません。そうしていると、商店街の端まで来てしまいます。外はまだ雨が降っているので、引き返して食事ができる店を探したいところですが、『いやいや、同じ顔がウロウロしていたらヘンに見られる』からと、雨の中を走り出すのです。このあたりに、五郎の性格がよく表現されています。周りから変に見られたくないのです。五郎はいろいろなことを気にしすぎで、そこが見ていてとても共感できるし、面白いです。

雨の中を走り、とりあえず目についためし屋に五郎は入ります。台東区山谷の大衆食堂きぬ川です。店に入ると、一斉に先客たちの視線が五郎に向けられます。壁際の4人がけの席に1人で座り、顔を拭き、壁にはられたメニューを眺めてぶた肉いためとライスを注文。『俺はできるだけ物おじせず、ハッキリという。注文を聞きかえされるのはやっかいだ』。五郎はひとりで外食ばかりしているので、こういう術をちゃんと持っているのです。五郎を見ていると、1人で外食するのが苦手でも、「こうすればいいんだ」と参考になりますし、自分も1人で食べに行ってみようという気になります。

ついでにおしんこも注文する五郎ですが、おしんこは何にするか店員に聞かれます。この店には、ナスとキュウリとハクサイのおしんこがあるのです。こういう食堂で出されるおしんこは、いかにも美味しそうで食べたくなってしまいます。五郎も『きっと自家製なんだろうな』と期待してナスのおしんこを注文します。最後に追加でとん汁を注文するのですが、このとん汁が後々問題になってくるのです。

注文を済まして気が楽になった五郎は、周りの人間を観察し始めました。店内は10人くらい客がいますが、自分以外全員帽子をかぶっていることに五郎は気づき、『なぜだろう?』と疑問を持ちます。まるで不思議な街に迷い込んだかのようですが、五郎は『ある種の美意識が感じられる』と変に納得してしまうのです。持ち帰りの客が何組かやって来ます。常連の客もいるようで、店員から食べていくか持ち帰りか聞かれている人もいます。とん汁2つとキュウリとハクサイのおしんこを持ち帰る客に、ライスはどうするのか心配する五郎。こんなふうに周りを観察しながら思いを巡らせていると、料理が来るまでの時間を1人でも楽しく過ごせるでしょう。

さて、いよいよ注文した料理が提供され、食事シーンが始まります。まずはメインのぶた肉いため。ぶた肉入りの野菜炒めを五郎は想像していたのですが、豚バラだけをたっぷりと炒めた料理でした。横にキャベツと練からしが添えられています。ご飯がばくばく食べられるタイプのおかずで、見ていると食欲をそそられます。ナスのおしんこも量が多くてほとんどまるまるナスひとつ分。つかり具合もちょうどよさそうです。そしてとん汁。具は豆腐とぶた肉ですが、こちらもたっぷり入っています。『ぶた肉ととん汁でぶたがダブってしまった』。五郎はおかずのバランスをとても気にするのです。

おかずのラインナップを見て、失敗だったと落ち込んだりバランスがいいと上機嫌になったりするのが、五郎のかわいいところです。ですが、この店のとん汁はそれだけで十分なおかずになる量。この店はとん汁とライスで十分な店だったのです。考えてみると、さっきの持ち帰りの客の中にもとん汁とライスだけを注文していた人がいました。常連だからよく知っているのでしょう。それにしても、とん汁とおしんこを2人分持ち帰った客はライスをどうするのでしょうか。

食事をしながらも、五郎は人間観察をやめません。ウインナー炒めとライスを注文するおじさんを見て、小学生が土曜日の昼に家で食べているみたいだと思ったり、ご飯よりお酒を飲む客が多いことに気づいたりします。そして、食べ終わり、お勘定へ。あれだけ食べて800円です。満腹になった五郎は、気持ちよく店を出ます。数メートル歩いたところで振り返るのですが、そこで五郎が見た光景は、ぜひ漫画を見て確かめてください。最後にライス無しで持ち帰った客の謎が解けます。

店舗情報
店舗名:きぬ川
店舗住所:東京都台東区日本堤1-40-2
営業時間:6:00~10:30頃
エピソードに登場したメニュー:ぶた肉いため、ライス、ナスのおしんこ、とん汁
食べログURL:https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132401/13093772/

1巻4話:朝から酒を飲む人々

海外に買い付けに行く朝ならいざしらず、個人で輸入雑貨の貿易商をやっている五郎にとって、朝6時に起きるのはとてもつらいことです。それでも、朝8時に納品時間を指定されれば仕方ありません。納品先はビルの3階。エレベーターはありません。バイトもいないとブツブツ言っているところを見ると、時にはバイトを雇って納品を手伝わせることもあるのでしょうか。いや、納品先の誰かが手伝ってくれることを期待していたと考えるほうが、五郎らしいです。やっと終わって腕時計を見ると、9時半になっていました。納品に1時間半もかかっています。すっかり疲れた五郎ですが、気になるのは体の疲れよりも空腹です。駅前でさっと何か食べてから帰ろうと考えました。

こんな朝からやっている店なんてあるかなと考えながらぶらぶら歩いていると、開店している飲み屋を発見する五郎。『バカな…今、朝の9時半だぞ』と驚きながらも食事ができるか聞いてみると、できるという答えが返ってきます。五郎は店の外に貼ってあるメニューから「すき焼き風肉豆腐ライス」の文字を見つけ、嬉しそうな顔をします。しかし、残念なことにすき焼きの準備はまだできていませんでした。

すき焼きを食べる気になっていた五郎ですが、あらためてメニューを選び直さないといけなくなってしまいます。食べたかったものが食べられなくて、仕方なく違うものを食べるというのが、五郎はとても多いです。しかし、がっかりはするもののすぐに代わりのメニューを選び、それはそれで楽しんでしまうのが五郎なのです。

まずはうな重にしようかと考えますが、いまひとつ浮かない顔。お酒が飲めない五郎は、飲み屋で注文できるものが少ないのです。ところが、メニューにご飯があるのに気づいて流れが変わってきます。『ごはんがあるのか、うん!そうかそうか。そうなれば話は違う』と、急に元気になる五郎。壁にはられたメニューを見渡しながら『ここに並んだ大量のおつまみが、すべておかずとして、立ち上がってくる』。立ち上がってくるという言い回しに、逆にいままでは全く候補にあがってなかったという感じがよくでています。『大判コロッケもいい。いくらどぶ漬けか。さんま焼きだっていいぞ。そこに生ゆば刺しなどつけるか。朝からごちそうだ。岩のり250円も渋いな』と、ほんとうに楽しそうです。ここの独白の部分は、『孤独のグルメ』の中でも名シーンと言えるでしょう。

ふと五郎は、周りの客がみんな酒を飲んでいることに気づきます。常連ばかりなのか、みんな通い慣れている様子なのです。これが朝9時半の光景なのだろうか、と五郎は呆然としてしまいます。そのせいでしょうか。うな丼を頼んだ客につられて、五郎もうな丼を注文してしまいました。酒の肴をおかずにしてご飯を食べようと考えていたのに。しかも、最初に考えていたのはうな丼ではなく、うな重だったのに。続けていくらどぶ漬け、生ゆば、岩のりを注文します。そして、注文を終えると、周りにつられてうな丼を注文したことを後悔し始めるのです。

五郎はまた、周りの人間を観察し、考え始めます。朝の9時半から飲んでいるこの人たちは、いったい何の仕事をしているのだろうと。何の仕事をしているのか1番謎めいているのは五郎なのですが、本人は気づいていないのです。個人でやっている、店を持たない輸入雑貨の貿易商なんて、かなり珍しいでしょう。酒も飲まないのに朝から飲み屋でうな丼といくらどぶ漬けを食べようとするのも、かなり謎めいています。最初の計画通り、ご飯とコロッケかさんま、それにいくらだったら朝食としておかしくありません。しかし、五郎の注文の仕方は、いつも値段のことは考えないし、量も多いのです。輸入雑貨は儲かっているのでしょう。

いよいよ、注文した料理が届けられ食事シーンが始まります。狭いカウンターに並べきれないほどの量です。まずうな丼。これには肝吸いと、紅しょうがとカブのおしんこが付いてきます。中にあさつきが巻いてある生ゆば刺し。これには小鉢でポン酢が付きます。そして、いくらどぶ漬け。醤油につけてある、大粒のいくらがたっぷりと入っています。最後に岩のりです。うな丼と岩のりをどうやって食べるのでしょうか。

五郎はまず、生ゆばから食べ始めます。生ゆばを食べて京都を思い出すと五郎は言います。京都に住んでいたことがあるのでしょうか。ただ仕事で京都に行っただけなのでしょうか。生ゆばをひと口食べると、次はうな丼に手を付けます。脂が乗った、いいうなぎを使っているうな丼です。五郎は頬をふくらませて、美味しそうに食べています。

うな丼にいくらをどう合わせるか考えていると、店主と常連客らしい女性との会話が耳に入ってきました。どうやらこの店は、昭和25年に、店主の父親が始めたようです。店主の父親は、会社を倒産させたあと、この店を開きました。自分が酒好きだから、朝から飲める店をやろうと考えたのです。話を聞いている間に、五郎はうな丼のうなぎだけ食べ終わって、ごはんを余らせてしまいます。うな重と比べると、うな丼のうなぎは小さいのです。しかし、これがいい結果につながります。余ったうな丼のごはんにいくらを乗せて、いくら丼にできるのです。

40代くらいの女性と60過ぎくらいの男性の二人連れが、湯豆腐を注文して差し向かいで酒を飲んでいます。どういう関係なのだろうと、五郎は考えます。結局、岩のりには全く手を付けずに残してしまいました。五郎が店に入ってから出るまでの、気持ちの変化がよく伝わるエピソードです。

店舗情報
店舗名:鯉とうなぎのまるます家総本店
店舗住所:東京都北区赤羽1-17-7
営業時間:平日10:00~21:30、土・日・祝9:00~21:30
エピソードに登場したメニュー:うな丼、生ゆば刺し京都風、いくらのどぶ漬け、岩のり
食べログURL:https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132305/13003778/

1巻12話:五郎の譲れない信条

ランチタイムギリギリに五郎が滑り込んだのは、東京都板橋区大山町にある定食屋です。五郎がカウンターに座ると、店主は首だけを向けて『しゃい』と言います。「いらっしゃいませ」と言っているつもりなのはわかりますが、感じが悪いです。次に店主は、洗い物をしている店員に『おい!』と声をかけます。店員は振り向くと、『イラッシャイマセー』と五郎に言い、水を出してくれます。店主のさっきの『おい!』は、客が来たから水を出せという意味だったのでしょう。

店員さんの見た目は日本人と変わりませんが、どうやら外国人のようです。あとで分かるのですが、この人は呉さんと呼ばれています。店主は五郎の水を黙って取り上げ、コップに石鹸の泡がついていると言って、呉さんを叱りはじめました。そして、中の水を呉さんの足元にぶちまけるのです。ものすごいパワハラで、見ていて驚いてしまいます。石鹸がついたコップで水を出されるのは確かに嫌ですが、なにも客の目の前で怒ることはありません。

店主の説教は、五郎の目の前でまだまだ続けられます。ランチタイムの看板をしまうのは呉さんの仕事らしいのですが、もう50分なのに看板を出しっぱなしにしていることを五郎に聞こえるように怒り出しました。看板を出しっぱなしにしているからこいつが入ってきたじゃないか、と言っているとしか受け取れません。五郎はいたたまれず帰ろうとするのですが、店主に愛想笑いで引き止められます。店主がすすめるこの店の名物「大山ハンバーグランチ」を注文した五郎ですが、料理を待つ間もいつものように楽しくはありません。店主のパワハラをずっと見せられるのです。呉さんは皿を間違えて怒られたり、看板をしまおうとして「今行くな」と怒られたり、五郎が見ている間ずっと怒られています。嫌そうな顔で料理を待つ五郎の前に、やがてハンバーグランチが運ばれてきました。

大きなハンバーグにケチャップベースのソースがかかり、その上に目玉焼きが乗っています。ハンバーグの横に添えられているのはカレー味のスパゲッティとポテトフライ。これに味噌汁とライスが付きます。料理を前に機嫌がよくなった五郎は食べ始めますが、店主の呉さんに対する態度にだんだん表情が曇ってきました。ついに我慢できなくなった五郎は、お金をカウンターに叩きつけて立ち上がります。『人の食べている前であんなに怒鳴らなくたっていいでしょう』と、珍しく五郎の怒りが爆発するのです。ここから五郎と店主は口論になります。そして、自分がいつもどういう気持で食事をしているのか、五郎は自分の信条を語るのです。あまりにも名シーンなので、続きは本編でお楽しみください。アクションシーンもあります。

店舗情報
店舗名:洋包丁
店舗住所:東京都板橋区大山町8-8
営業時間:11:00~22:00
エピソードに登場したメニュー:大山ハンバーグランチ
食べログURL:https://tabelog.com/tokyo/A1322/A132203/13122633/

2巻11話:変幻自在のラーメンライス

たった今、百貨店がらみの大きな仕事を決めてきた五郎。いつものように空腹で登場します。大きな仕事を決めたのに、別に嬉しそうには見えません。それくらいは、いつものことなのでしょうか。五郎の仕事は、上手く行っているようです。大手町で仕事が終わって、気がつくと午後1時半です。五郎は東京駅まで歩くことにします。地下鉄に乗った方が早いのですが、歩いた方があとの乗り換えが楽なのです。

東京駅の構内で昼食を取ろうと考えていた五郎ですが、途中のガード下でラーメン屋を見つけてしまいます。よく見るととんこつラーメンの店。しばらくとんこつラーメンを食べていないことを思い出した五郎は、我慢できなくなってしまいます。しかし、店の中が見えない作りになっているので、旨い店かがっかり店かの判断がつきません。入ろうかどうしようか迷っていると、サラリーマンらしき2人組が店から出てきました。この内の1人が言ったセリフ『ちそうさーん』で、五郎は入店することを決心します。気安い店のような感じがして、店に好感を持ったのでしょう。美味しくて満足したからこそ『ちそうさーん』なのです。

入ってみると、食券を買うスタイルの店でした。食券の販売機を見ると、どうやら店のイチオシはスタミナラーメンのようです。しかし、五郎は、最初に食べたかったとんこつラーメンとライスの食券を迷わず買います。席に着いた五郎は、いつものように周りの客を観察します。どうやら、近くで働いている人が昼食を食べに来る店として、人気があるようです。これは当たりの店かもしれないと五郎の期待は高まりました。今度は、テーブルの上の薬味に目が止まります。博多ラーメンの店なので、辛子高菜や紅生姜が置いてあるのです。五郎は、辛子高菜と紅生姜をライスのお供にしようと考えニヤニヤしていたのですが、なんとふりかけまで置いてあることに気づきました。食券を取りに来た店員によると、ランチタイムにラーメンを頼むと半ライスか替え玉がサービスになるとのこと。五郎は半ライスを頼み、ライスの分の食券を返金してもらうことにしました。

また店の観察を始めた五郎は、置いてある酒のボトルや「つまみ3点盛り450円」のメニューを見て、ここは夜になると飲み屋モードになる店だと推測します。夜に酒の肴として提供されると思われる、サンマのみそ煮の缶詰が棚に置いてあるのを五郎は見つけました。この缶詰が好きな五郎はさっそく注文します。すると、缶のままではなく、ちゃんと皿に乗せて持ってきてくれました。

とんこつラーメンにライス、それに缶詰が加わって、完全食になったと五郎はご満悦です。ラーメンに胡椒、辛子高菜、紅生姜をトッピングし、さらにライスにふりかけをかけます。ラーメンをすすり、サンマをほぐしてライスにのせ、美味しそうに食べ進めます。辛子高菜や紅生姜をライスに合わせていると、ライスがなくなってしまいました。もともとライスの食券を買っていたのに、ランチタイムサービスの半ライスに変更したのが原因です。仕方なく、半ライスを追加で注文します。

今度はレンゲでとんこつラーメンのスープをすくって、そこにライスをひと口分投入してすする五郎。次はレンゲにライス、サンマ、紅生姜を乗せ、スープに浸して食べます。『薬味、ラーメン、ラーメンの具、飯、缶詰、組み合わせ無限。まさに自由自在』。見ていると真似したくなります。

ここで麺が少なくなっていることに気づいた五郎。博多ラーメンは替え玉がデフォルトなので、麺は少なめなのでしょうか。もちろん、替え玉を注文します。ところが、替え玉の量は思ったよりも多かったのでした。我らが井之頭五郎は、はたして全部食べられるのでしょうか。

店舗情報
店舗名:大手町ラーメン
店舗住所:東京都千代田区大手町2-5-18
営業時間:11:00~14:50、18:00~21:45
エピソードに登場したメニュー:とんこつラーメン、半ライス、サンマのみそ煮の缶詰、替え玉
食べログURL:https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13037990/dtlrvwlst/

『孤独のグルメ』の登場人物

井之頭五郎

輸入雑貨の貿易商を個人でやっている。ひとりで食事をするのが好きで、いつも空腹で登場する。何を食べれば自分が満たされるか真剣に考えるが、希望する料理にありつけないことが多い。かなりの大食漢だが多めに注文する癖があり、食べすぎて苦しんだり残したりするのはいつものことである。年齢はわからないが、見た目や言動から中年であることは間違いない。

独身である。結婚もせず、自分の店も持っていないのは、守るものが増えて人生が重たくなるのが嫌だからだ。酒は全く飲めないが、飲み屋で食事をするのが好きなので苦労している。かなりの甘党で、特に和食系のアズキ、ミツ、カンテン、モチ関係に目がない。2年前に離婚した姉がいる。おいの太とは4年会っていない。4年前、交際していた女優小雪とパリで破局している。気が弱そうに見えるが、祖父の影響で古武術の稽古をしていたためかなり強い。関西弁が苦手である。

小雪

4年前に五郎が交際していた女優である。五郎と同じく、全く酒が飲めないのが出会いのきっかけになった。

滝山

五郎の友人。大阪の客を五郎に紹介する。新幹線でいつも食べる龍養軒のシュウマイ弁当700円を五郎に教える。

ロクちゃん

大阪北区中津にあるたこ焼き屋の店主。客の扱いが上手い。本人は否定しているが、客の情報によると昼間はヤクザの事務所にいるようだ。自慢のたこ焼きは、ゴマ入りネギ入りの特製。

五郎の姉

2年前に離婚。太の母親

五郎の甥。高校球児。エースとして甲子園の予選の準々決勝に出場する。

『孤独のグルメ』の世界

ジェット

ジェットボックスシューマイのこと。加熱機能が付いた容器に入ったシュウマイ。ご飯はついていない。1巻6話に登場。大阪に向かう新幹線の車内で食べるため、駅ビルの地下にあるおべんとう公園で購入した。温めるとシューマイの匂いが強く、新幹線の中で五郎は気まずい思いをした。

E・A・H

エコノミー・赤門・ハーフのこと。2巻8話に登場。東京大学の学生食堂を訪れた五郎が注文した。エコノミーは、ご飯の上にとんかつを乗せ、さらにその上から椎茸、昆布、玉ねぎ、人参などが入ったあんをかけたものに、味噌汁とミニサラダが付いた定食である。赤門はとろみの強い汁無し坦々麺。東京大学の学生食堂はメニューが多く複雑だが、その中から1発でこの組み合わせを選んだことに五郎は自信を持っている。

頂上作戦

迷ったときに、メニューの1番上に載っている物を注文すること。2巻10話で五郎は、店内で食べられる形式の鮮魚店「魚九」を訪れた。そこでぶり照り焼き定食を注文したところ、当たりくじに当選し、サイドメニューからもう1品ただで頼めることになる。ポテサラかもずくかで悩んだ五郎は頂上作戦を決行。1番上に書かれていた明太子を選んだ。

下戸の大逆襲

酒を飲めない人間が酒の肴をおかずにご飯を食べること。井之頭五郎は酒が飲めないが、酒の肴は大好きで、それをおかずにしてご飯を食べるのがもっと好きなのである。

インペリアル

ハンバーグステーキの上に目玉焼きが乗った状態のこと。ハンバーグステーキより50円高い。荒川区日暮里の洋食屋「ニューカクヤ」を訪れた際、他の客が食べているのを見て食べようとしたが、五郎は間違えて普通のハンバーグステーキを注文してしまった。しかたなくハムエッグを注文し、あと付けでインペリアル状態にした。2巻12話に登場。インペリアルの本来の意味は「帝国の、皇帝の、威厳のある、最上級の」である。

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