『蜜の島』とは
『蜜の島』は、『月刊モーニング・ツー』(講談社)で連載されていた、兄妹漫画家ユニット小池ノクトによる作品である。全4巻。TV Bros.のマンガ賞「ブロスコミックアワード」大賞を受賞している。戦後まもない日本、地図にも存在しない”幻の島”、石津島で次々に殺人が起こる。孤島でのサバイバル要素や得体の知れない島民たちの因習や思想という土着的ホラー要素、日本創生・国生みという神話要素、死とはなにか・自我とはなにかという概念的要素が複雑に絡まり合い、予測できない結末を迎えるミステリー・サスペンス。
『蜜の島』1巻のあらすじ・見どころ
終戦直後、復員兵の南雲は、戦死した戦友との「妻と子を妻の故郷に送り届ける」という約束を果たすべく、遺児のミツを連れ石津島へ向かっていると、船に乗り合わせた内務省調査局の瀬里沢に、石津島は地図に不記載で、存在すら知らなかった島で、米軍によって島の存在が確認されたため、GHQから石津島の調査の命が下ったのだと聞かされます。
石津島に上陸すると、先遣されていた瀬里沢の部下、今村に迎えられます。石津島にある集落は、まさに日本の原風景といった風で、皆平等で村長も存在自体しないのだそう。
ミツの母の旧姓である咲田家を探したところ、家には家人だったと思わしき2体のミイラと、それほど時間の経っていない二人分の食事があるのみでした。どこか異質なこの村を調べるべく、村一番の年寄り、治三郎に話を聞くと、どうもうまく話が通じず、400年前のことをまるで見てきたかのように話します。更には「死」と「死体」という言葉自体を理解していないようで、これは島民にも共通していました。
そんな折、今村を慕っていた村の娘ハナが崖から転落しているのが見つかり、応急処置の甲斐もなく死んでしまいます。島には「墓地」という概念も存在せず、今村が海のよく見える丘に墓を掘ることに。なかなか今村が戻らないため、瀬里沢と南雲が探しに行くと、そこには大量の血痕や荷車と思わしき車轍、いくつもの足跡、そして土の中には今村の両腕が埋まっているのでした。
『蜜の島』の登場人物
南雲佳哉
朝鮮半島からの復員兵。戦友・貴船の遺言でミツという少女を貴船の妻の故郷に返すべく、石津島にやってきた。頼りなげで瀬里沢には『甘ったれ』と言われるほどだが、意外に根性もあり、ミツを守ろうとする。
瀬里沢極
内務省調査局第一課の役人。GHQの命により、存在しない島とされていた石津島を調査するために本土から石津島にやってきた。博識で、推理力・洞察力に長けている、ともすれば冷たいとも評されそうな冷静沈着な男。なによりも調査局の任務を全うすることを第一としていたが、石津島で起きる謎の連続殺人に翻弄されていく。
貴船(咲田)ミツ
南雲に連れられ母親の故郷である石津島にやってきた10歳ほどの少女。口数は少ないが、南雲にはなついている様子。南雲よりずっと冷静で、咲田家でミイラ化した遺体を見ても驚かなかった。父である貴船の言っていた『あいつらは今の日本じゃ生きていけない』の真意とは。
今村均
内務省調査局第一課所属の瀬里沢の部下で、瀬里沢に先駆けて石津島で先行調査を行っていた。穏やかな性格で、島民にも上手く溶け込んでおり、特に村娘のハナとは想い合っていた。何者かに突き飛ばされ転落死した第一の犠牲者であるハナの死体を埋葬中に何者かに襲われ、両腕を切断されて死亡してしまう。
『蜜の島』の世界
石津島
ミツの母の故郷で、地図にも載っていない、書類上では大日本帝国には存在しないとされていた島。16世紀の古文書によると、数里ほど移動したとの逸話が残されている。米国の海図によって存在が確認され、島の実態を調査するべく瀬里沢や今村が派遣されることとなった。
内務省調査局
戦後GHQによって設置された、GHQの指令の趣旨に反する団体の調査・監視・解散を目的とする内務省内の行政局。瀬里沢と今村は調査局の所属で、石津島を日本国に編制し、納税などの義務を負わせるための先行調査で島に訪れた。
ふたな島
四国の古名。石津島の1番の年寄りとされる治三郎が南雲たちのことをふたなじまの者だと勘違いした。ふたなじま(四国)のとある神社に所蔵されている記録に石津島の記載があること、その記録の筆者を治三郎がまるで実際の知人かのように語ること、島民に「死」の概念が無いに等しいことなどから、南雲たちは石津島の島民の異質さを改めて思い知ることとなった。
『蜜の島』の感想・評価
とても良い
赤いとまと さん(20代/女性/正社員/独身)
マルコ さん(50代/男性/正社員/既婚)
ビースケ さん(30代/女性/正社員/独身)
ヨーキ さん(50代/男性/正社員/既婚)
夏 さん(20代/女性/正社員/独身)
良い
HENRY さん(30代/女性/パート・アルバイト/独身)
ヨシ さん(30代/男性/正社員/独身)
キリンジ さん(40代/女性/専業主婦(主夫)/既婚)
もも さん(30代/男性/個人事業主/独身)
ミドリムツ さん(30代/女性/無職/独身)
ふつう
ぷらこ さん(40代/女性/個人事業主/独身)
qq さん(40代/男性/正社員/独身)
Arisa さん(20代/女性/パート・アルバイト/独身)
たけちゃん さん(50代/男性/正社員/既婚)
あs さん(40代/女性/個人事業主/独身)
悪い
ななみ さん(40代/女性/専業主婦(主夫)/既婚)
【アンケート概要】
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2019年01月16日~2019年02月16日