『最果てにサーカス 』1巻のあらすじ・見どころ
「芸術や文学は何のためにあるのか」大正14年、ロシア革命によるソビエト連邦の樹立や2年前に起きた関東大震災からの復興など様々な出来事が起きていた時代。文学青年たちは「山繭」を発行した記念として神田川沿いの公園で酒盛りをしていました。
『いずれは大金持ちになる』『これからは文学が世界をリードする時代になるから、自分はその中心人物になる』など己の夢や野望を語り合う中、主人公である小林秀雄は自分が何のために作品を書き、芸術は何のために存在しているのかと一人悩んでいました。
『花はただ咲いているだけ』『人のため、芸術は人のために花はあるわけではない』そう言いながら酒盛りの場に表れたのが天才詩人家である中原中也。勝手に酒を飲んだ中原はその場にいた人たちを見下す発言したことによりケンカが発生し、倒されてしまいました。
季節は春とはいえまだ肌寒い季節であり、そのままにしておくわけにはいかないので、小林は自身の家に彼を連れていくことにします。こうして2人の奇妙な共同生活が始まるのでした。
『最果てにサーカス』の登場人物
小林秀雄
23歳の文学青年。見識が鋭く、圧倒的な読書量および知識を持つなど作家としての能力は十分に持ち合わせているが、自意識の殻に閉じこもりがちであり、創作の迷路に迷い込んでいる。
友人殻の高い評価とは裏腹に、自身が満足のできる作品を作れないことには内心不満を持っている様子。そのため自身の作品が収録された山繭を中原に破られたときは、怒りを顕にしていたが、心のどこかでは嬉しかったようである。作中ではやや無個性に描かれているが、巻末では酒で中原を潰しながらも饒舌に語っており、酒にはかなり強い。
中原中也
詩人家の18歳。京都に住んでいるが日本大学の受験を受けるために上京し、酒盛りをしていた小林らに出会う。酒樽にいきなり顔を突っ込んだり、人に向かって「才能がない」といってしまうなど突拍子もないところがあるが『芸術を掴むためには自身の生活だけでなく魂も捧げなければいけない』と考えており芸術に対する熱意は本物。
髪型はボブカットで、ネクタイにシャツ、マントを羽織るなどかなり変わった外見をしているが、これは小林が翻訳した「ランボオの詩」の影響によるもの。小林の作品はすべて読んでおり、翻訳家としての能力の高さは買っているが、小説家としては『他人がいない』など辛辣に評価している。ボタンと月を見ただけで即興で見事な詩を作るなど詩人としての能力は本物のようである。
『最果てにサーカス』の世界
山繭
小林が文学仲間らと共に発行した同人誌。小林が執筆した小説をはじめ、「鳥獣剥製所」という詩、「ポンキンの笑い」など様々な作品が収録されている。作中で登場したのは第3巻であり、過去に1巻と2巻が発行されている。自費出版である同人誌であることや、仲間の一人が『お互いの文学作品を切磋琢磨しあって、いずれは文壇に我々の名前をはせさせる』という発言をしていたことから、世間的な知名度はそれほど高くないことが伺える。
『最果てにサーカス』の感想・評価
とても良い
あやめ さん(30代/女性/パート・アルバイト/既婚)
彗星 さん(20代/男性/個人事業主/独身)
良い
ハリー さん(40代/女性/専業主婦(主夫)/既婚)
ペンギン さん(20代/女性/学生/独身)
ふつう
しーらかんすう さん(30代/女性/正社員/既婚)
べるべら さん(40代/女性/正社員/既婚)
悪い
あっき さん(40代/男性/正社員/既婚)
【アンケート概要】
■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2018年09月28日~2018年10月12日
■有効回答数:100サンプル