漫画『東京タラレバ娘』の感想・無料試し読み

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『東京タラレバ娘』とは

講談社の女性マンガ雑誌「Kiss」上で2014~2017年に連載されていた東村アキコの作品で、ジャンルは恋愛・人生コメディドラマである。30代独身女子の不安定な精神と幸せ探しの本質を鋭く突く内容のため、連載時から大きな反響があった。単行本が全9巻出ている他、関連本として「タラレバほろ酔い名言集」(講談社、2017年)がある。また、2017年1月から日テレ系でドラマ化もされた。

『東京タラレバ娘』のあらすじ

東京オリンピックを7年後に控えた2013年、東京で働きながら生活している3人の30代独身女子、倫子・香・小雪は不安と焦りを感じていました。もしも、東京オリンピックまでに結婚できなかったら、一生を独身で過ごすことになるのではないかと考えて心配をしているのです。「もし~したら」「もし~すれば」と、タラとレバの多い会話をしつつ、タラレバ3人娘は「結婚したい」「幸せになりたい」と思っています。そして、若い頃に縁があった男性に惚れ直してみたり、うっかりと不倫にはまってしまったりするのです。そんな彼女たちを批判する若い男にも心を乱されます。

『東京タラレバ娘』の魅力

30代未婚女子の揺れ動く気持ちをリアルに描いているところが、「東京タラレバ娘」の魅力です。30代前半といえば、まだまだ若い気持ちでいながらも、自分の将来像を描くと不安を感じやすい年頃。ましてや、結婚のあてもない独身とあっては「早くなんとかしなければ」と思い詰めることも多いのではないでしょうか。しかし、仕事や遊びも面白くなってきているため、このまま自由に楽しく生きていたい気持ちも根強いのです。そんな現実逃避と焦る心理を容赦なく暴き出され、ショックを受けた読者も多数でした。編集部には「楽しく生きていたのに、『タラレバ』を読んだせいで台無しです」という感想も届いたそうです。

耳が痛いメッセージをぶつけられて傷ついたり立腹したりしつつ、それが気になってしかたがない読者たち。それは、倫子たちタラレバ3人娘がKEYの言葉に反応する気持ちと完全にシンクロしています。そんな作品を知ってしまえば、夢中で読まずにはいられないでしょう。終盤にはタラレバ3人娘が成長していく姿が描かれており、そこに、30代未婚女子が幸せをつかむためのサンプルを見ることもできるのです。それだけに、結末には賛否両論ありつつも、忘れられない印象を感じた読者が多いのでしょう。

『東京タラレバ娘』の印象的なエピソード

1巻1話:タラレバとは

33歳の誕生日を目前にしている倫子は、友人の香のネイルサロンでネイルアートの施術を受けています。6年後に第2回東京オリンピックが決定したことが話題になると、重い沈黙が訪れました。凍った空気を断ち切るように香は言います。『…倫子、大丈夫!』『さすがに、その頃までには結婚してるから、私達』。30歳を超えた2人は、このままずっと結婚できないかもしれないという不安や焦りを感じる年頃なのです。美しく装飾されたネイルを空にかざして眺めなる倫子。そして、初めて香にネイルを塗ってもらったのが大学を卒業してすぐだったことを回想し、あれから10年もたっていることに気づいてがく然としました。

そして、その頃にさえない同僚だった早坂と高級ディナーを食べたことを思い出します。テレビ番組制作会社のアシスタントディレクターだった早坂は人柄が良いもののあか抜けない男性だったため、付き合ってほしいと言われた倫子は断ってしまったのです。あれから10年たった現在、早坂とは仕事で頻繁に会う機会があります。10年の歳月は遊び方も知らなかった田舎出身の若者を、洗練された大人の男性に変えていました。役職もディレクターに昇進しており、倫子は『マシになった。つーか…悪くない…?』と感じています。そして、早坂がいまだに独身なのは、まだ自分に気持ちがあるからではないかと胸をときめかせることもあるのです。

そんな早坂から、『お話したいことがありますので、今週どこかでお時間いただけませんでしょうか?』というメールが届き、倫子はパニックに陥ります。そして、仲良しの友達である香と小雪にグループLINEで『第!4!出!動!』『第4出動!!!』と送信するのです。いつも3人が集まる酒処「吞んべえ」で3人は大騒ぎをしながらたっぷりと飲み食いを楽しみます。久しぶりの第4出動に小雪と香も盛り上がり、今度こそプロポーズに違いないと言うのでした。

いい気分に酔った倫子の目に映ったのは、皿の上のタラ白子ポン酢とレバテキがもぞもぞと動き出す姿。なんと、彼らは顔をもたげてしゃべり始めました。『いやーしかし、6年後の2回目のオリンピックの時は、この3人はどうしてるんタラか…』。『いいかげん、あたしたちも本気で婚活しないと…』と答えた倫子に、タラとレバはさらに言うのです。『倫子さん…AD改め早坂Dを逃がしちゃダメレバよ…』『そうだっタラ…奴はダサいけどいい奴だっタラ…』。そして、別に早坂のことが好きなわけではないと言う倫子に、タラレバはとどめを刺します。『30過ぎたら女は「愛する」よりも「愛される」幸せを選ぶんタラ!!』『そうそう!倫子さんも、もういい歳なんだから、これがラストチャンスかもしれないレバ。もし彼を逃したら…』『お前は一生、独身だァァァ』。

勝負ファッションで早坂とのデートに臨んだ倫子。しかし早坂の話というのは、倫子のアシスタントであるマミちゃんに結婚を前提とした交際を申し込みたいという内容でした。10年前、倫子にダサい指輪をプレゼントしようとして評価を下げてしまったから、今回マミちゃんに買った指輪が大丈夫かどうかチェックしてほしいというのです。

もちろん、第4出動事案。死にたいほど落ち込んでいる倫子を励まそうとした香は、今まで通り努力を続けてい“れば”、もっといい男と縁ができると言いました。倫子は『…じゃ……あたしが今よりキレイになっ“たら”』『…ダイエットして5キロやせてキレイになっ“たら”、そのいい男とケッコンできる?』と答えます。それに答えて小雪は『できるできる。その男のことを倫子が好きになれ“れば”の話だけどね!!』と言うのです。周りを気にせず、自分たちの会話に夢中になって大騒ぎしている3人に、脇から声がかかりました。『ちょっと、おねーさん達』『いいかげんうるさいよ、こないだから』。

それは、先日に彼女たちが白子ポン酢を横取りしたせいで帰ってしまった若い男性でした。背を向けたまま、彼はさらに言います。『ったく感心するよ…。いい歳して「痩せ“たら”」だの「好きになれ“れば”」だの、何の根拠もないタラレバ話で、よくそんなに盛り上がれるもんだよな…』。『まあいいよ。そうやって、一生、女同士で』『タラレバつまみに酒、飲んでろよ!』『このタラレバ女!』。

このエピソードでは、30代未婚女子の不安定さや現実逃避をする傾向が鮮明にあぶり出されている点を面白いと感じました。私はタラレバ娘よりもずっと年長なので笑いながら読めましたが、もしも30代にこの作品を読んでいたら、ショックが大きくて眠れなくなったかもしれません。そして、ショックを受けるのは真実を突いているからなのです。しかし、直視しにくい真実をあえて見せることによって読者に目覚めてほしいと願う作者のメッセージを感じることもできます。同じ内容を伝えるのでもシリアスに表現されたら気持ちが暗くなるだけですが、そこをコミカルな絵で表現して少し受け入れやすくしてくれているのが、作者の愛なのではないでしょうか。

9巻(最終巻)28話:幸せなんて実体がないものにすがるのは止めろ

北伊豆の山田から電話を受けて、KEYを迎えに来た倫子たち。香・小雪・マミちゃんが北伊豆の味を堪能していたとき、倫子は浜の小舟の中でKEYと体を重ねていました。その後、倫子はKEYに『待って』『少し話したい、ここで』と言います。『大丈夫、私』『もう、あんたの言葉で傷つくなんてことは……ないわ』『だって、本当に傷ついてるのは、あんただから』。そして、KEYの亡き妻についても言及します。『私、似てる?』『似てるから許せなかったんだよね』「似てるからセックスしたんだよね」。

KEYはこう答えます。『それは違う。ただ、オレは……』『あんたに教えてあげたかった』『人間は、いつか死んでしまうんだってことを』『愚痴ってるヒマなんて、ないってことを』『今日という一日が、どれだけ大事かってことを』。『あんたらが、あの店で大騒ぎしながら酒飲んでるのを見れば見るほど』『オレは腹が立って』『うらやましかった』。

倫子はKEYを抱きしめて、『私、あんたのこと好きなんだと思う』と告白します。しかし、KEYが一目ぼれするような落ち着いたタイプの女性になる気もないという意味のことを言います。『私、そんなもののために、自分を変えようとは思わない』『だって、あれが本当のあたしだもん』『あの時、ああしてたら、こうしていればってタラレバ言ってもしょうがないわ』。そして、さらに言います。『だから、あんたもこっちにくればいいじゃない』『あんたが、あたしを好きになってくれなくても』『あたしは、自分の生き方を変える気はない!!!』。すると、KEYはこう答えるのです。『じゃあ、あんたがオレを変えてくれ』『オレとあんたが恋愛するためには、それしかないだろう?』

このシーンでは、男に愛されることばかりを考えていた倫子が、ありのままの自分を肯定して生きようとし始めるところが感動的でした。しかし、まだ、完全に地に足をつけたわけではありません。

早坂からの電話に動揺する倫子に、KEYは『どっちにするか、今、自分で決めろ』と迫ります。『だって、あんたを選んだとして…7つも歳下の男を…そんなの、結局、無理でしょ!?』『それじゃ、あたし、幸せになれないでしょ!?』。倫子がそう言うと、KEYは優しく倫子の髪をなでながら、こう答えるのです。『幸せって何だよ』『もう卒業しろよ、そういうの』『いいかげん、そんな実体のないものにすがるのはやめろ』。そして、結果的に倫子は『幸せにしてくれそうな男』を捨てて、『幸せにしてくれなそうな男』であるKEYを選びます。28話は、倫子のモノローグで締めくくられました。『あなたを幸せにしたい』『自分の幸せなんて、今はどうでもいい』。

ここで、30代未婚女子が幸せを追求する物語として進められてきた前提が見事にひっくり返されました。KEYが言っていたことは幸せそのものを否定するという意味ではなく、「幸せになりたい(ならなければいけない)」と自縄自縛になっていることへの否定でしょう。この点をすぐに受け入れがたい読者も少なくなかったようで、違和感があったというレビューも多数あります。しかし、「幸せ」と「幸せにならなければ自分は人生の落後者だという不安」は、まったく別物です。ですから、このどんでん返しでは、とても大切なことを作者が伝えようとしていると感じました。

9巻(最終巻)29話:最後に男気を見せた早坂

「幸せにしてもらえないかもしれない」という不安から解放された倫子は、タラレバが現れて『おまえは一生、独身タラレバーッ』と脅してきても、もう動揺しません。『うん、それならそれで仕方ないわ』『もう、あんた達のことなんて怖くないわ』『もう、出てこなくっていいよ!!』。すると、タラレバはパッと消えてしまいました。

倫子は東京に戻り、待っていた早坂と向き合って話します。早坂は倫子の気持ちがKEYにあることを既に悟っており、穏やかに話してくれました。『頑張ってよ、倫子さん。すごいじゃん、あんなイケメンと恋愛できるなんて』。『…ハハ、たぶん、ずっと片思いだとは思うけど』と答える倫子に、早坂はこう言ってくれたのです。『いいじゃない、それでも』『倫子さんが後悔しないほうを選んで。じゃないと』『また、タラレバ女って言われちゃうよ』。

『ちなみに、僕はタラレバ男じゃないよ?』『だって、倫子さんと出会えたから』『僕も成長できたって…」。その言葉を聞いて、倫子は『それだよ…タラレバの反対語……!』と気づきました。「~だから、~できた」という「原因と結果」の発想こそ「~しタラ~なのに、~すレバ~なのに」という「仮定と現実逃避」の対極にあるものなのです。「~だから」と考えることによって、現実の自分を肯定して生きていけるようになるのだと、倫子は気が付きました。『あいつが私に、はっきり言ってくれたから』『私達、もう、女の子じゃないって気づけたんだ』。

そして、その思いは倫子だけでなく、香や小雪もまた、同じようなことを考えていたのです。『それまでの私達は、毎日』『若い頃のまま、毎日をぬるぬると過ごして』『大人になったことに、気づいているよな、気づいていないよな』『進んでるのか、止まってるのか、戻ってるのか』。香は涼のポスターを見上げながら思います。『凍ってた昔の恋を』『無理やりレンジで温め直して』。また、小雪も商店街で買い物をしながら思います。『割り切った大人のフリをして』『あなたと未来のない恋をした』。そういった経験をした“から”、『自分が本当に欲しがってるものが分かった』のだと、3人はそれぞれ、思うのです。

『私、行かなきゃ。行ってタラレバ女、卒業しなきゃ』と言う倫子に、早坂はビシッと天を指さして、こう叫ぶのでした。『鎌田倫子!!!』『第4出動!!!』。このシーンの早坂のかっこよさは特に印象に残っています。倫子との幸せな生活を目前にして、別の男のほうが好きなことを理解して背中を押してくれるというのは、なかなかできることではないでしょう。

単なる恋愛感情であれば、独占欲やプライドが邪魔をして、相手の幸せを最優先できないことが多いのです。しかし、自分の幸せよりも相手の幸せを願うことができるようになれば、自分が愛されない悲しみよりも、相手の喜びを自分の満足と感じられるでしょう。それが愛というものです。そして、幸せとはだれかに愛されることによって与えられるものではなく、自分がだれかを愛することで自分を幸せにできるのだといえます。また、だれかに評価されるために自分を偽るよりも、自分の心に正直に生きることが本当の幸せともいえるでしょう。

このエンディングは、30代未婚女子だけでなく、他の年代の人や既婚者にも人生を考え直す機会を与えるものです。自分の本心と向き合って後悔しないように生きることの難しさは、すべての人に関係があるものでしょう。ここにきて「東京タラレバ娘」は、幅広い年代の読者に問題提起をして、鮮やかに幕を下ろすのでした。中学生から高齢者までが読んで収穫があると思われる名作なのです。

『東京タラレバ娘』の登場人物

鎌田倫子

タラレバ3人娘の1人で33歳、独身。7年後に迫った2020年の第2回東京オリンピックまでに結婚したいと考え、焦りを感じている。ヘアスタイルは黒のワンレングスで、Fカップ。職業はフリーランスの脚本家で、主な仕事ジャンルはネットドラマなどの脚本だ。以前はテレビ制作会社に在籍していたが30歳のときにキャリアを積んで独立し、表参道に自分の事務所を構えられる程度には売れっ子である。海外ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」が大好きで、それが脚本家を目指す動機となった。

香(かおり)

タラレバ3人娘の1人で、倫子や小雪とは高校時代の同級生。美人でスタイルも良いのに、しばらく彼氏がいない。三白眼。職業はネイリストで、親に開業資金を出してもらって表参道でネイルサロンを開業し、1人で経営している。過去にバンドマンの涼と付き合っていたが、金持ちの男に目移りして別れた。最近になって成功した涼と再会し復縁したが、本命の彼女でなくセカンド(と思いきや、実はサードであったことが後に判明する)。

小雪

タラレバ3人娘の1人で、父親の片腕として居酒屋「呑んべえ」でキリキリと働いている。サバのみそ煮など家庭的な手料理を得意とする。メガネをかけており、黒のロングヘアを後ろで一本のお下げに結っているのが特徴。父親と同居する前は母子家庭で育ったせいか、しっかり者である。母性的なところもあり、かわいげを感じさせる中年男・丸井との不倫にはまってしまっているのが悩み。

KEY(鍵谷)

KEYという芸名でモデル・タレントをしている金髪の若い男性。倫子たちとは居酒屋「呑んべえ」の常連客として出会い、きつい言葉を投げつけて強烈な印象を与えた。KEYのキャラクターモデルは韓国の男性グループ「SHINee」のメンバー「Key」だといわれている。

マミちゃん

倫子のアシスタントで19歳。原宿キッズのようなファッションが好きで、髪はピンク、目玉をかたどった指輪など奇抜な服装をしていることが多い。高校生の彼氏と付き合っていながら早坂に結婚前提の交際を申し込まれると軽いノリで承諾し、当然の権利のように浮気をしたあげく、あっさり早坂と別れてしまう。ドライな考え方と行動力の持ち主だが、世話好きで気が利き、脚本家としての才能もある。

プロの脚本家になることを本気で目指しており、恋愛は仕事に活用するための体験だという信念を持っている。若い人向けのドラマの脚本を倫子がうまく書けなくて逃避していたとき、たまたま、マミちゃんが練習のつもりで書いていた脚本がスタッフの目に留まって採用された。それをきっかけに倫子の下から独立するが、倫子の世話になったことに恩義を感じており、その後も尽くしてくれる。倫子以外の年長者に対してもものおじすることがなく言葉遣いもカジュアルだが、同時に体育会系のノリのような礼儀正しさも発揮するため、だれからもかわいがられる。

夢見がちなタラレバ世代とは対照的に、現実的でたくましい若い世代を象徴するキャラクターとして、マミちゃんの存在は大きい。

『東京タラレバ娘』の世界

タラレバ

「もし~だっタラ」「もし~すレバ」など、仮定形を頻繁に使用する倫子たちに、KEYが投げつけたセリフに由来する言葉。『まあいいよ。そうやって一生、女同士で』『タラレバつまみに酒、飲んでろよ!』『このタラレバ女!!』(※1)

タラレバ精神のシンボルとして、酒処「呑んべえ」の人気メニューであるタラ白子ポン酢とレバテキがキャラクター化し、倫子たちの前に頻繁に登場する。そして、いろいろな言葉をささやいてくるのだ。それは、彼女たちに都合のいい言葉だったり、痛いところをグサグサとえぐる言葉だったりする。ふだんはかわいらしい顔を見せるが、ときには死神のような表情で倫子たちを脅したりあざ笑ったりもするのだ。そして、タラレバ娘たちがタラレバ精神を卒業できたときには、空に消えていくのだった。

ヴィラ・オリンピア

倫子が住居兼仕事部屋として借りている表参道のマンションで、建てられたのは第1回東京オリンピックの開催年である1964年。現在は古くてボロボロだが、屋上にプールがあるなど建設当時はゴージャスだった面影がある。屋上に自由に出入りできるため、倫子は早坂からのプロポーズを期待した夜に彼を屋上に誘った。そして、手ひどく振られることになったのである。

東京オリンピック

第1回東京オリンピックは1964年に開催された。第2回東京オリンピックの2020年開催が2013年に決定したため、倫子たちタラレバ3人娘が結婚までのカウントダウンが始まったような心境になる。東京オリンピックを実家で親と、あるいは自宅で1人で見ている自分を想像しただけで恐ろしいという不安である。また、倫子が仕事場兼住居としているヴィラ・オリンピアや近所の五輪橋など、第1回東京オリンピックに由来のある建造物も作品中に象徴的な意味合いを持って登場するのだ。それは、時代の流れを実感することや、取り残されることへの恐れである。

酒処「呑んべえ」

原宿にある料理がおいしい大衆居酒屋で、いつも多くのお客さんでにぎわう。売り出し中の男性モデルKEYも店の雰囲気が好きでよく訪れていた。また、タラレバ娘たちの1人、小雪が父親と一緒に経営する職場でもあるのだ。タラレバ3人娘はいつも女子会と称してこの店に集まり、おいしいつまみをガツガツとむさぼりつつ、ホッピーやビールの大ジョッキをあおる。若い頃はスペインバルや和風ダイニングなどオシャレな店で女子会をしていたこともあったが、28歳のときに香がこう言い出したのをきっかけに酒処「呑んべえ」に『ハマッた』。『なんか、もっと手っ取り早く酔っぱらいたい。つーか、もっと酒がグイグイ飲めるつまみで飲みたい』。

人気メニューはタラの白子ポン酢とレバカツ・レバ串・レバテキ。KEYと3人娘のファーストコンタクトは、KEYが注文した白子ポン酢を小雪の父が間違ってタラレバ娘たちへ先に出してしまったことによる。『すいません、それ、こっちです』と言うKEYに店主は『あっ、ゴメンゴメン。そっち、まだだったか』と答えた。しかし、それを聞くやいなや、倫子と香は白子ポン酢をムシャムシャと口に入れて『あっ、ふいません。もう、たべらいまひたっっ』『おいひーっ』と叫ぶのだった。このときのKEYはまだ暴言を口にすることもなく会計して店を出ていくにとどまったが、次にタラレバ娘たちに会ったときに静かな怒りを爆発させた。

第4出動

もともとは消防隊で使われている用語で、招集の緊急度が最も高いことを意味する言葉。倫子たちタラレバ娘の間では、女子会の招集テーマの重要度を端的に伝える用語として使われている。すなわち、『ヒマだからなんとなく飲みたい時は第1出動』『仕事のグチを聞いてほしい時は第2出動』『誰かの悪口をブチかましたい時は第3で』。そして、『緊急に男がらみの相談がある時にのみ発令されるのが、第4出動』である。

しかし、物語の終盤では早坂が『鎌田倫子!!!』『第4出動!!!』と叫ぶシーンがあり、そこでは、似ているようでまったく違う意味で使われているのだ。タラレバ娘用語としての「第4出動」が「相談」という他者依存的な意味であることに対し、早坂が命じた「第4出動」は1人で自分の意志に従って行動することを指すのである。

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