『人形の国』とは
人形の国は、講談社から発行している月刊少年シリウスで連載開始。作者は弐瓶勉、漫画のジャンルはSF。人形病に侵された者たちが彷徨う極寒の地で暮らすエスロー達は、行軍訓練の途中でリベドア帝国の兵士に追われる不思議な少女を助けるが、それは世界の運命を大きく変えるものだった。
『人形の国』1巻のあらすじ・見どころ
遺跡層に戦闘訓練目的で訪れたエスロー達は食料としていたパイプの実の群生を発見、急遽訓練を食料採取に変更し存分な調達を果たし終え帰路の途中でした。遺跡層から抜けだし陸地を移動している最中、リベドアの小空機を発見。追われている女の子が撃たれたのを見たエスローの生徒テオが飛び出し関わってしまった事が発端でリベドア兵と交戦。撃たれた女の子に託されたものを居住区へ持ち帰ると、一族を300年守ってきたゼゾはこの状況を危険と判断、リベドアに見つからない場所への移住を決意します。しかし、移住する前に居住区にリベドア帝国が襲撃。生徒達は無残に倒れ、エスローは左手を失い、ゼゾは鎧化して交戦するも囚われの身となってしまいます。
『人形の国』2巻のあらすじ・見どころ
次の町に向かったエスローとタイターニアは、町を治めている双子のエイルとエイムにいきなり捕まってしまうのです。捕まってしまったのは二人を闘技会に出場させるためで、無防備な状態で自動機械と戦うという過酷なものです。危険を察知したエスローは戦闘状態となり、何とか勝ち抜きます。ですが戦った相手の中には一人だけ転生者が居て、タイターニアを探していたのです。タイターニアはこのケーシャという美少女から旅を一緒にしたいとお願いされ、タイターニアは承諾します。
仲違いしながらも共に戦うことで仲間意識も生まれ、リベドアの正規人形を突破していくのです。さらに捕虜リストを手に入れるとそこにはエスローが居た白菱の梁出身者がおり、罠だと知りながらも助けようとします。そこに向かうとイーユの姿があり、正規人形としてエスローの教え子であるビコも居たのです。二人に襲いかかるビコを助けようとしますが…、というところで2巻は終了です。
『人形の国』の登場人物
1巻
エスロー
先生と呼ばれている射手。イーユの狙撃に失敗し、死の直面に立つがタイターニアの助言によりコードを使い正規人形になる事で一命を取り留める。コードとの適合率は53%と決して安心できる数値ではなかったが、タイターニアの助けにより転換に成功する。
シオ
エスローの生徒、エオがエスローの指示に従わずタイターニアに関わった事を腹立たしく思っている。翌日リベドア帝国の襲撃で命を落とす。
エオ
エスローの生徒で楽観的。エスローの指示に従わず、リベドア兵士に追われ撃たれたタイターニアを庇った事で一族を窮地に追い込んでしまう。翌日リベドア帝国と交戦中に命を落とす。
ゼゾ
一族を300年守ってきた人。気体系の缶の識別方法に始まり、狩りや遺跡の歩き方まで、全て親代わりのように教えてきた。エスロー達の中で鎧化して闘う事が出来る唯一の正規人形。通称、白菱の梁のゼゾ。
ディナ
現在エスロー達が住んでいるこの城の事が気に入っている住人の一人。リベドア帝国の襲撃により命を落とす。
イーユ
帝国の正規人形、皇帝の次に強い優秀な正規人形だと本人は語る。制圧に10年必要と言われていた北合成スラブ地方の制圧を1年で終わらせた。
タイターニア
リベドア帝国からコードと七個の弾丸のようなものと、小さな自動機械を持って逃げてきた。この弾丸のようなものが世界を終わらせる力を持っているらしく、皇帝の手に渡せないとエオに告げる。撃たれた事で小さな人形のようになってしまった。
2巻
ケーシャ
国王の命を受けてタイターニアに加勢するために登場する、第二のヒロインと位置付けられている女性。リベドア帝国に滅ぼされたとされている王国のイルフ・ニクの出身で、地底信仰の民である。祖国が滅ぼされたと聞いているがと尋ねられても、首都を一時的に失っただけと答えるなど祖国に対して過剰に反応する。『無礼な言い方だな』という言葉遣いからも、貴族や王族などある程度地位が高いことが伺えるのだ。偉そうな態度をすることもあるが、双子のエイルとエルムに攻撃された際にも主人公たちを助けようと奮闘したりと優しい一面も伺える。
エイルとエイム
エスローとタイターニアが立ち寄った町を治めている双子。正規人形にもかかわらず下級転生者のため弱い。連携すれば強くなるのが特徴だ。闘技会の主催者という一面もあり、人形病に侵されている者を見つけ出し、コロシアムで遺跡層の自動機械と戦わせる。外見は幼い出で立ちだが、残虐性を持っているのだ。エスロー、タイターニアと戦っているときにケーシャが助けようとして、戦いに敗れそうだと感じると「抗エナ剤」を使うなど、ずる賢い面も持っているのである。
アイム
リベドア帝国の命を受けて、AMBとコード回収やエスローの暗殺を目論んでいるフューマを乗せている馬のようなものがアイム。転生者でもあり、リベドア帝国の正規人形である。
『人形の国』の世界
1巻
アポシムズ
体積の大半を超構造体の殻で覆っている人口天体内にある地底空間。地底との戦争に敗れた人々はアポシムズでの正当な居住権を失い、極寒の地表に取り残されている。
人形病
遺跡層に蔓延している奇病、発祥すると何百年もゾンビのようにさまよい続ける。自我がなくなるといわれている。
リベドア帝国
正規人形を何体も所持し圧倒的な戦力を持っている。タイターニアを追っていたところエスロー達に阻まれ交戦、それを発端に翌日エスロー達は帝国に襲撃され、大半が命を落とす。
正規人形
弱点は脳だが頭蓋骨を打ち込むのは不可能なので、眼光を狙うのが常套手段。重要な戦力だがその為には多くの犠牲を必要とする。
コード
正規人形になる為に必要なアイテムだが誰でも簡単になれる訳ではなく、ゼゾが正規人形になるまでにはコード不適合の犠牲者が47人も出て、その人達のほとんどが死んでしまった。
ヘイグス粒子
正規人形の鎧化中に急激に消費する必要物質。視界に文字が現れ活動限界までの時間と残量が表示される。
2巻
超構造体
本作に登場するコードや浮遊物質と同じように、地表側の科学力では生産することが出来ない遺物。軽量でとても硬いことが特徴であり、この戦略資源を手に入れることが世界征服の足がかりであり、リベドア帝国の大きな目的の一つだ。加工をすることが出来ず、採掘したままで使う。超構造体のネジは色々なエリアで通貨にもなっている。
地底信仰者
人形病になってしまうのは人類が地底に背いた罰だと考えている者たち。本作の設定の一つである人形病の患者は神聖なる地下への巡礼者であり、地下にある住居地区から追い出された末裔の世界だという歴史から宗教化されている。地底の使者であるタイターニアは信仰者にとって神だと言われているのだ。
闘技場
エイムとエイルが開催しているイベントを行っている場所。人形病になっている者を嗅ぎ分けることが出来る自動機械で患者を羽交い締めにし、闘技場で残虐に殺させて収益をあげている。戦わせるのは遺跡深部で発見された大型の自動機械である。
元素使い
2巻で初登場したケーシャの属性。電気を操ることが出来る模様だが、その能力はまだハッキリと分かっていない。